非接触ガイドロールで不良対策・静電気対策

接触式ガイドローラーで　どのような問題があるのか？

 

①　ロールとの接触により製品に傷がつく
　　
フレキシブルガラスや薄板ガラスのように、高い品質が求められる製品では、接触による傷は不良増加・歩留まり低下の原因になります。

 

②　静電気の発生源になる

静電気の発生は、2つの物質の”接触”に起因しています。
ローラーが樹脂製でも金属製でも、走行しているウェブを接触すると、接触面で電荷が移動し、離れることで、2つの物質の表面で電荷の偏りが残ります。これが静電気です。ガイドローラーを走行し、ウェブが接触・剥離を繰り返すことで静電気を帯びていきます。

 

静電気は、浮遊しているゴミ・ホコリを引き寄せたり、放電のショックで作業環境を悪化させるなど　様々な問題を引き起こす原因になります。（ 静電気が不良や歩留まり低減の原因になっている をみる）

 

③　ロールを汚染する
ウェブに付着していた小さな異物が、ロールに転写することがあります。これが蓄積していくと、ロールの表面を汚染して、ガイドするウェブへダメージを与える原因になります。このような工程では、定期的なロールの清掃管理が重要です。

 

④　駆動・回転部品による発塵リスク
ガイドロールには駆動式・駆動フリーのローラがあります。いづれの場合でも、定期的に潤滑材を挿していても、駆動部品・回転部品による発塵リスクが残ります。小さな樹脂カス・有機物・金属異物でも、高い品質が 求められる製品に付着すると、不良の原因になります。

 

⑤　ウェブが張り付く
ガイドロールは、ウェブの張力が高いとロールと張り付き、剥離性が悪くなることがあります。張り付きを防止するために、用途に適した、ロールの表面処理やコーティングを調べて導入する必要があります。 

超音波ベアリングの技術で ウェブを非接触でガイド

 

超音波ベアリングは、非接触で基板を浮上させる技術です（超音波ベアリングをみる）。超音波ベアリングの搬送面（ソノトロード）は、ロール形状に制作したり、アーチ形状に制作することができ、非接触のガイドロールとする応用があります。

 

写真：
左はアーチ型、右はロール型
表面を高周波で微振動させ、フィルムと搬送面の間にエアフィルムを形成して非接触で滑るようにガイドします。

超音波ベアリングは、スクイーズ膜による浮上の原理なので、エアブローや圧縮空気は不要です。ユーティリティーは電源のみ。電源供給した無回転のガイドロールのようなイメージです。電源を投入してONにすると、搬送面（ソノトロード）とウェブの間には圧縮された空気の膜が形成されます（スクイーズ膜）。この空気層の反発力によりウェブは非接触で搬送面を走行することになります。

 

超音波ベアリングによる非接触ガイドには、接触式ローラーでは実現できない様々なメリットがあります。

 

　不良低減！　
　　　非接触で製品にダメージを与えずに搬送することで、接触による不良を防止します

　

　剥離帯電・摩擦帯電を防止！
　　　ガイドとウェブは非接触なので、ガイドとの剥離や摩擦による静電気発生を防止します

　
　ガイドの汚染を防止！
　　　ガイドとウェブは非接触なので、ウェブに付着した小さな埃がガイドに転写するのを回避します

 

　エアを吐出しません！

　　　超音波ベアリングの技術による非接触ガイドは、スクイーズ膜の浮上原理です。ガイドがエアーブローを吐出してクリーンルームに気流を巻き起こすことはありません。

 

　駆動部品・回転部品はありません！

　　　ガイドロールは回転せずにウェブをガイドします。駆動・回転系部品が不要になるので、回転系部品による発塵源を無くすことができます。

 

　張り付きません！

　　　接触によるウェブの張り付きを防止します
　

　コンプレッサーフリー！

　　　ユーティリティーは電源のみ。圧縮空気は不要です。

 

　超低ランニングコスト！

　　　コンプレッサーフリーなので、圧縮空気の電気代はゼロです。

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