金属コイルの熱処理に電気ヒーター加熱システムを採用する事で CO2 及び NOx を一切排出せず、材料の熱処理サイクルを通じてベル炉の架け替えも一切行わない、次世代の焼鈍設備です。
EBNER
熱処理の効率化
金属材料を100%水素雰囲気化で熱処理するベル型焼鈍技術を世界で初めて開発したEBNER社が、世界的な環境問題の解決策の一つとして、ベル型炉におけるバーナー加熱による焼鈍技術から電気加熱方式を採用した新型ベル炉を開発しました。 今回開発したGreenBAFx型ベル炉は、雰囲気ガス自体を直接加熱・冷却するという、これまでのベル炉での間接的熱伝導型焼鈍技術を根本的に見直す雰囲気ガスプロセス技術を提供すると同時に、現場作業者の作業環境にも配慮した革新的な設備構成となっています。 100%水素雰囲気焼鈍の分野で世界の最先端技術を誇るEBNER社から、また新たなプロセス技術を世界に提供する事になります。
全世界的なCO2とNOx の排出量削減というこれまで金属加工業界での熱処理工程では不可能と考えられていた命題をプロセス雰囲気ガスを電気ヒーターエレメントを使用する事で直接加熱・冷却し、エミッションゼロを実現する事が出来ました。
従来のベル型焼鈍設備では、加熱工程から冷却工程に移行する際、加熱ベルから冷却ベルへの架け替えるクレーン操作を行う必要がありましたが、GreenBAFx型設備では、プロセス雰囲気ガスを直接加熱・冷却しますので、この作業が一切必要ありません。熱処理プロセスを開始して終了するまでのワークベース上に置かれたベル炉は、加熱工程と冷却工程を兼用できるベル炉であるため、熱処理サイクル中の作業性と時間は大幅に削減されます。
ベル炉本体はプロセスベルと呼ばれる、いわゆる保温型のベルになります。雰囲気ガスを完全に外気と遮断するインナーカバーもこのプロセスベルと一体化されるため、、作業者はコイルをワークベースに積載し、プロセスベルを被せれば、熱処理プロセスをすぐに開始する事が出来、ます。
複数のベース間で加熱中の排熱を利用した熱交換を行う事が出来ます。加熱を開始する別のベースを予熱する事が出来ると同時に、この排熱はその他の設備に転用する事も可能です。
電気加熱方式に変更した事で雰囲気ガス温度制御性能が格段に向上するため、材料自体の温度オーバーシュートがありません。各ワークベースはプロセスベルと一体型での独立制御システムになっていますので、従来の様なベルの待ち時間が大幅に削減されます。
必要なユーティリティーはすべてワークベースに接続され、プロセスベルには排熱循環用の配管を除いて一切の配管がないため、設置スペースを大幅に削減できると同時に、設置工事期間も大幅に短縮する事が出来ます。またプロセスベルと一体化したインナーカバーを水冷却しない事でサーマルショックが発生しないため、製品寿命が長くなります。
基本設備構成(2ベースが1システムとなります):
GreenBAFx型ワークベースプロセスベル(インナーカバー内蔵型) x 2式
制御システム x 1式
熱処理するストリップコイル寸法によって設備サイズとユニット消費量がことなります。添付した見積り質問状に熱処理する材料の詳細仕様を明記していただければ、詳細な設備仕様をご案内します
2024年11月に正式販売を開始しましたので、導入実績数としては未だ多くはありませんが、パイロットプラントがドイツの鉄鋼メーカーに設備導入され、既に1年以上の長期生産稼働実績があります。
EBNER社研究開発部門にもGreenBAFx型ベル炉の実機が設置されており、現在も設備の改良と開発を継続しています。
GreenBAFx型ベル炉の詳細はご面談時にご説明いたしますので、ご興味のある方は是非お問い合わせください。