ゲッコー接着グリッパーは、ヤモリの足の接着原理を応用した乾式接着グリッパーです。ワーク表面に接触して保持するため、真空や圧縮エアーを使用しません。
微小な電子・光学部品から大型ワークまで、手作業によるピックアップから自動機・ロボットによる搬送まで幅広く対応します。
ヤモリの足裏には、セタ(setae)と呼ばれる非常に細かな毛状構造があります。 この微細構造が物体の表面に接触することで、分子間に働く ファンデルワールス力 を利用して壁や天井を移動することができます。
ゲッコー接着グリッパーは、このヤモリの接着メカニズムを生体模倣したハンドリング技術です。 特殊な接着面をワークに接触させることで保持するため、 接着剤や粘着剤、真空吸着を使わずにワークをピックアップ できます。
ゲッコー接着は、接着剤を塗布して化学的に固定する方式ではありません。 接触によって保持し、必要な場所でリリースできる可逆的な乾式接着 です。 そのため、ピックアップ、移載、位置決めなどの繰り返しハンドリングに利用できます。
真空や圧縮エアーによる吸着とは保持原理そのものが異なるため、 穴あき、ポーラス、凹凸面など、真空吸着では難しいワーク にも対応できる可能性があります。
※左右にフリックしてご覧いただけます。

極細のピラーを持ち、ロボットに持たせて超小型・軽量部品のハンドリングに最適。

ペン先の吸着部をホルダーから着脱できます。
手動:吸着部をホルダーにつけて手持ち操作
自動:吸着部をロボットに持たせて操作

テープ状のグリッパー
片側は吸着部、反対側は両面テープ
大きめの基材向けのグリッパーです。レンズ、ガラス基板、ディスプレイ、複合材料などデリケートな大きな基材を確実にハンドリング。

ゲッコー接着グリッパーは、ワークを保持するための 真空源や圧縮エアーを必要としません。 真空ポンプ、エジェクター、エアー配管などを使わずに、ワークのピックアップ・移載ができます。
自動機やロボットへ組み込む場合も、真空配管や圧縮エアーの取り回しを減らせるため、 ハンドリングシステムのシンプル化 につながります。
ゲッコー接着グリッパーは、手作業だけでなく、 自動機やロボットによるピック&プレース にも使用できます。
微小な電子部品や光学部品から、大型・重量ワークまで、 ワークの大きさ・重量・形状に合わせてグリッパーを選定・設計 できます。 精密なピックアップ、移載、位置決めなど、さまざまな自動ハンドリング工程に対応します。
真空吸着は、ワークとの間から空気が漏れると十分な吸着力を得にくくなります。 そのため、 穴あき、ポーラス(多孔質)、凹凸のあるワーク では、安定した保持が難しくなる場合があります。
ゲッコー接着グリッパーは、負圧ではなく ワーク表面との乾式接着によって保持 します。 真空漏れの影響を受けないため、従来の真空吸着では扱いにくかった形状や材質にも、 新しいハンドリング方法として検討できます。
※保持性能は、ワークの材質、表面粗さ、形状、重量、接触面積などによって異なります。実ワークでの評価をおすすめします。
ゲッコー接着グリッパーは、決められた形状のグリッパーをワークに合わせるだけではありません。 ワークの形状、サイズ、重量、表面状態やハンドリング条件 に合わせて、グリッパーを選定・設計できます。
微小部品向けのアリグリップから、大型・重量ワーク向けのフェルグリップまで、 必要な保持力や接触面積に合わせたハンドリング が可能です。 ロボットや自動機への組込みなど、装置側の条件も含めて検討できます。
※カスタム設計の可否や仕様は、ワークおよび使用条件を確認のうえ検討します。
ワークのハンドリングには、真空吸着、ベルヌーイ、機械式グリッパーなどさまざまな方式があります。 ゲッコー接着グリッパーは、 真空や圧縮エアーを使わず、ワーク表面との乾式接着によって保持 する方式です。代表的なハンドリング方式との違いを比較しました。
| 比較項目 |
ゲッコー接着 グリッパー |
真空吸着 グリッパー |
ベルヌーイ グリッパー |
機械式 グリッパー |
|---|---|---|---|---|
| 保持原理 |
乾式接着 (分子間力) |
負圧による 真空吸着 |
エアーフローによる 圧力差 |
爪などで 挟んで保持 |
| 真空源 | ◎ 不要 | × 必要 | ◎ 不要 | ◎ 不要 |
| 圧縮エアー | ◎ 不要 |
△ 真空生成方式による |
× 必要 | ◎ 不要 |
| 平滑・非通気ワーク | ◎ 得意 | ◎ 得意 |
○ 条件による |
○ 挟めれば対応 |
| ポーラス・穴あき | ○ 条件により対応 | △~× 真空漏れしやすい |
△~○ 条件による |
○ 挟めれば対応 |
| デリケートなワーク | ◎ 片面から保持 |
◎ 片面から吸着 |
◎ 低接触で保持可能 |
△~○ 挟持力に注意 |
| エアーによる周囲への影響 | ◎ なし |
○~△ 真空生成方式による |
△ エアーフローあり |
◎ なし |
| 真空環境での使用 | ◎ 特注仕様で対応可能 | × 圧力差を作れない | × 圧縮エアーを使用 |
△~○ 機構・仕様による |
|
窒素・アルゴン雰囲気 グローブボックス内 |
◎ 配管不要で使用しやすい |
○ 真空ホース・配管が必要 |
△ エアーチューブ・ 圧縮ガス供給が必要 |
○ 機構・仕様による |
| 大型・重量ワーク |
○~◎ 用途に合わせて設計 |
◎ パッド構成で対応 |
○~◎ 機種による |
◎ 得意 |
※本表は各ハンドリング方式の一般的な特性を比較したものです。 実際の保持性能は、ワークの材質、表面粗さ、形状、重量、接触面積、使用条件、各機器の仕様などによって異なります。
ゲッコー接着グリッパーは、 微小部品の精密搬送から、真空では扱いにくいワーク、特殊雰囲気でのハンドリング まで幅広く利用できます。 ワークの形状・サイズ・重量や搬送条件に合わせてグリッパーを選定・設計します。
SMD、コンデンサ、MEMS、ウェーハなど、 小型・微小な電子部品の保持、移載、位置決め に使用できます。 真空配管を使わない乾式接着のため、自動機やロボットへの組込みにも適しています。
マイクロレンズ、ガラス、光学部品、光ファイバーなど、 表面への傷や残渣をできるだけ抑えたいワーク の精密ハンドリングに。 ワークを両側から挟まず、片面から保持できます。
薄いフィルム、シート、ガラス繊維、多孔質材料、穴あき部品など、 真空漏れや変形によって真空吸着が難しいワーク にも、乾式接着という別のハンドリング方式を検討できます。
特注仕様では、 真空環境や窒素・アルゴン雰囲気のグローブボックス内 でのワークハンドリングにも対応できます。 真空ホースやエアーチューブを内部へ引き回さずに保持できるため、 閉鎖空間や特殊雰囲気での設備構成をシンプルにできます。
※対応可否や保持性能は、ワークの材質、表面粗さ、形状、重量、接触面積、使用環境などによって異なります。
ゲッコー接着グリッパーは、真空バルブのON/OFFや圧縮エアーの切り替えで保持力を制御する方式ではありません。 接触状態を変化させることで、保持とリリースをコントロール します。
自動搬送では、ワークやグリッパー形状に合わせて、 傾ける・ずらす・回転させるなどの動作 により接触状態を変化させ、ワークをリリースします。 ピックアップから位置決め、リリースまでを一連の動作として設計できます。
ゲッコー接着は、接着剤や粘着剤でワークを固定する方式ではありません。 接触して保持し、必要な位置でリリースできる可逆的な乾式接着 のため、ピック&プレースなどの繰り返し搬送に利用できます。
ゲッコー接着グリッパーの選定、対応ワーク、自動化、使用環境、メンテナンスについて、よくある質問をまとめました。
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