やもりの足裏の接着原理を応用した商品です。ファンデルワールス力という分子間力で基材に接着します。接着といっても接着剤は使わない「乾式接着」です。分子間力だけで接着し(ドライ)、リリースも簡単です。レンズ・ガラス・プリント基板・ウェーハ・樹脂・金属 を取り扱う工程に適用できます。
ヤモリの足裏には、”セタ”という微細な繊維がびっしり生えています。ヤモリが壁や天井を歩き回る時は、足裏を接触させて、ファンデルワールス力という分子間力で吸着しています。
ゲッコー接着グリッパーは、ヤモリの接着原理を生体模倣した商品です。
ヤモリの”セタ”の代わりに、グリッパーには”ピラー”という人工的に製作した とても小さい支柱が付いています。ピラーが基材に触れると、分子間力が働いて接着します。
接着剤を使わない「乾式接着」です。乾式接着は、基材表面に接着剤の残渣を残すことはなく、吸着痕を残しません。基材表面に優しい接着技術です。
そして、リリースが簡単にできるのも乾式接着のメリットです。
ゲッコー接着グリッパーが接着する時に、外的なエネルギーは不要です。バキューム力や圧縮空気のような動力源は不要なので、エネルギーコストゼロで吸着・移載・ピックアンドプレースを行うことができます。
◆基材をピックアップする時
ゲッコー接着グリッパーの接着面が、基材表面と ほぼ平行にして 近づけます。
接着部を基材表面に軽く当てて、上に持ち上げるとピックアップします。
◆基材をリリースする時
リリースする方法は、3つ
①基材表面に対して、接着部を横にずらす
②基材表面に対して、接着部を傾ける
③基材表面に対して、接着部を回転させる
◆接着部が汚れた場合
別売のクリーニングテープで接着部を清掃します
吸着式のグリッパーには、真空パッド・吸着パッドがあります。パッドを基材表面に押し当てて、パッド内の密閉空間を真空にするために、バキューム(吸引)して 吸着する原理です。リリースする時は、パッド内を大気に戻して吸着力を解除します。
吸着式グリッパーは、吸着痕がつく問題がある他、バキュームするための動力源(ブロア・エジェクター・圧縮エア)が必要です。
一方、ゲッコ―接着グリッパーのような「乾式接着」は、バキュームするためのエネルギー源はいっさい不要です。そして、吸着による痕を残しません。
ベルヌーイチャックの吸着原理は、パッドの内側表面に沿って圧縮エアをブローすることで、中心に真空を作り、基材を吸着する原理です。があります。リリースする時は、パッド内を大気に戻すために、圧縮エアを遮断して吸着力を解除します。
ベルヌーイチャックは、吸着痕がつく問題がある他、真空を生成するための動力源(圧縮機・コンプレッサー)が必要です。また、周辺に圧縮エアーをブローして微細なパーティクルを飛散させるので、クリーンルームへの適合性が低い問題があります。
一方、ゲッコ―接着グリッパーのような「乾式接着」は、接着するためのエネルギー源はいっさい不要です。そして、吸着による痕を残しません。また、エアーブローに伴う問題は皆無です。
接着剤や化学的に接着する方式は、不可逆であることが多いです。強固に接着することはできても、リリースが難しくなります。接着力を切断するために、機械加工したり、化学的な反応が必要なのでは、時間・コスト・工数が増えてしまいます。この特性は、ピックアンドプレースの用途への適用を難しくします。
一方、ゲッコ―接着グリッパーは乾式接着(物理吸着ともいいます)です。可逆的な接着なので、リリースは非常に簡単です。接着剤を使わないドライプロセスなので、接着剤の残渣を残すことはなく、リリース後の表面はきれいなので、後洗浄を不要にします。

◆接着材を使わない「乾式接着」です
◆乾式接着なので、接着剤の残渣は残らない。
◆吸着痕・残留物を残さない
◆基材表面のダメージを最小限で、優しくピックアップ
◆吸着するのに、外部エネルギーは不要(バキューム・圧縮空気・クリーンエアーブロー・ブロアは不要)
◆吸着に要するエネルギーコストゼロ
◆1mm以下の小さな製品から、メーターサイズの大きな基材まで
◆フラットな表面だけでなく、凹凸がある表面まで
◆ノイズゼロ

【材質】レンズ・ガラス・セラミック・樹脂成型品・金属・フィルム・紙・箔
【基材】レンズ・マイクロレンズ・ガラス基板・ソーラーパネル・ウェーハ・プリント基板・水素燃料電池用バイポーラプレート(セパレータ)・コネクタ・積層セラミックコンデンサ・イメージセンサ・ガラス繊維・注射器・歯車(ギヤ)・フィルム・シート・カード
ウェーハ搬送用エンドエフェクタに、ゲッコー接着グリッパーを取り付ける応用があります。ウェーハカセットからウェーハを取出し・収納する用途では、XY方向の加速に対して、ウェ-ハが振り落とされない吸着力 と同時に カセットでの出し入れ時には、Z方向に対する弱めの吸着力が求められます。このようなニーズにお応えできるゲッコー接着グリッパーを製作できます。ウェーハの端面に触らずに移載・搬送することができます。

ゲッコー接着グリッパーの吸着部には、ピラーという非常に細い支柱があります。ピラーは、最小で2μmに製作することができます。小さなピラーがついたグリッパーを、小さなレンズを接着・リリースする用途にカスタムで製作することができます。

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