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【デモ機有】研磨布紙の長さ・速度を非接触測定

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【デモ機有】研磨布紙の長さ・速度を非接触測定

研磨材の製造工程では、モニタリング、切断、制御のために速度と長さを正確に測定でき、かつメンテナンス性の優れたセンサーは重要です。研磨材の表面はとてもざらついているので、機械式エンコーダーによる測定では機器寿命は著しく短くなります。非接触の測定システムでは、測定対象物から離れた箇所で測定しますので、スリップすることが無く、生産を中断することがありません。このページでは、エンコーダーによる長さ・速度測定から非接触式測定器VLMに更新した工場の事例をもとに、どのような利点があるのかをご紹介します。

研磨材はフレキシブルで、ファイバーや紙で構成されております。適用範囲は金属から木材チップと様々です。研磨材の製造工程では、まず研磨材の生地が作られます。そして、フェノール樹脂を製造し、研磨材の固い粒を精錬します。コーティング、乾燥、析出の複合処理
により、固い粒は生地の裏側に拡散し接着剤で固定されます。仕上げ工程では、研磨材はベルト、スリーブ、リング、ディスク、ストラップストリップ等の工程を経ていきます。

abrasive_roll.jpg

研磨材の特性から、研磨剤を巻きだして長さを測定しようとすると磨耗が伴います。品種は数多くあり、表面の状態も様々なので、従来の光学式測定器では簡単には測定できません。相関ベースで測定する測定器では、似たような表面の不規則性のため誤差を引き起こす
可能性があり、また研磨材の品種ごとに再設定しないと測定できないことも考えられます。フェノール樹脂の中に固い粒があり、ボンドブリッジも介在していることから、ピンポイントでレーザーを照射するレーザードップラー原理では、光学的反射特性が安定せず正確な測定が難しくなります。

これに対して、アステック社製計尺器VLMによる研磨材の測定には大きなアドバンテージがあります。

実際にVLMを導入した世界的な研磨材製造メーカー様の事例です。この工場では高品質でフレキシブルな研磨材を多品種製造しておりました。表面はとても粗い生地状(研磨紙、規格16)から非常に繊細なコーティング(研磨紙、規格1200)まで、色も多岐にわたり製造されておりました。このように、多品種の研磨材でも1台の非接触計尺器VLMで測定することができます。品種ごとに再設定する必要もありません。VLMは、CCDラインセンサーを搭載しており、データを迅速に処理します。光源からの光の強さは、基材表面にあわせて調整されます。この技術による測定では上記の多品種にわたる研磨材でも非常に正確に測定することができ、基材が連続的に切り替わっても適応できるのです。保存機能は、濃い黒から鏡面仕上げステンレススチールまで対応します。測定エリアは、基材表面のライン方向に鉛筆のようにストローク状です。この小さな測定エリアにより表面を正確に測定します。測定距離は185±7.5mmです。

CCDラインセンサーは速度に比例した周波数を拾い、ASICという名称のモジュールで処理します。ASICはマイクロプロセッサーとは違い、測定処理のために特化したプログラムを搭載したチップ状のモジュールで、処理効率は10,000倍以上です。ASICでは、送信された周波数データを周波数間の間隙を無視して処理し、周波数ごとの一貫性を比較処理しています。また、生データの処理を行い、小さなノイズでもシャットアウトします。このような評価処理は、例えばFFT解析では検出されないようなノイズでも処理できます。研磨材、ダスト、パーティクルは、測定点をランダムに通過する可能性があり、検出されなければ誤差の原因となりえます。しかし、上述の処理により真に相関性あるベルト速度だけを抽出することができるのです。同様の処理方法により、保存された平均速度から予測される加速限界を算出して、虚偽の値を除去する処理も行っています。VLMを導入する前には、この工場では速度計が頻繁にエラーを出力しておりました。小さなエラーでも測定値を拡散してしまうのです。

VLMは高精度で高い信頼性を有する測定器ですので、正確な測定が求められる仕上げロールでの長さ測定にも適しております。同工場では、VLMのパフォーマンスを確認した後、VLMを工場で展開していきました。

VLMは、ロールカッターにも敷設され、連続で流れてくる研磨材の長さを正確に測定しています。ロールカッターは生産ラインの中で、重要な工程です。ジャンボロールアキュームレーターをフィードイン・フィードアウト用に2段、自動ロールフィーダー、ロールスリッター自動回収装置、ロールパッキングマシンなどから構成されている工程です。ジャンボフィーダーは、大ロールを10個まで収容でき、これにより、月に600,000m2以上の研磨材をロールスリッターで製造していると換算されます。

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他にも、前工程では大サイズの研磨材がロールカッターで定尺切断(カットトゥレングス)され巻き返される工程があります。ここでは、スペックやお客様の仕様にあわせて切断し、スリットしています。このような定尺切断とスリッター工程でもVLMが敷設され、既設のオートメーションやドライブと連動して制御が飛躍的に向上しました。そして、定尺切断の精度はVLMによる非接触測定により向上し、安全のために余分に製造していた研磨材(セーフティーマージン)のコスト削減につながりました。 

VLM500Aのデモ機がございますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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