
💡 クイックサマリー:ダインペン(テストペン)の選び方と活用
ダインペン(Arcotest社製)は、プラスチックや金属などの表面エネルギー値(濡れ性)を数秒で測定できる品質管理ツールです。接着や印刷工程の前処理確認に世界中で使用されています。
- 測定範囲: 18.4mN/m 〜 105mN/m(ブルーの場合)
- 判定方法: 線を引くだけ。弾き具合で「良・否」を判定します
- 選べる形状: 現場向けの「ペン」、研究・精密用の「インク」
- 適正価格: 1本 5,500円〜。在庫品もございます。
目次
1. 表面エネルギー(ダインレベル)とは?
表面エネルギー値とは、インク・接着剤・コーティング剤などが対象基材の表面にどれだけ濡れるか(濡れ性)を示す指標です。単位は mN/m(ミリニュートン・パー・メーター) で表されます。(ダインは古い単位です。)
- 値が高い場合: ぬれ性が良く、接着や印刷が強固に定着しやすい状態です。
- 値が低い場合: ぬれ性が悪く、接着不良が発生しやすいため、表面処理(プラズマ等)が必要です。
はじいている / 濡れている
2. ダインペン・テストインクの使い方
特別な測定器を使わず、以下の手順で表面エネルギー(濡れ性)を簡易的に判定します。
【必要なもの】
- ダインペン(またはインク+綿棒)
- 清潔で乾燥した測定対象の基材
- 基材表面を清潔にする
油脂や汚れが残っていると正確な測定ができません。測定前に基材表面をイソプロパノール(IPA)などで軽く拭き取り、完全に乾燥させてください。素手で触れると指の油脂が付着するため、作業時は手袋の着用を推奨します。 - ペン(またはインク)を選ぶ
測定したい表面エネルギーの目標値に近い番手のダインペンを選びます。ターゲットが不明な場合は、中間値(例:38 mN/m)から始めて上下に絞り込むと効率的です。 - 基材表面に線を引く
ペン先または綿棒を使い、測定面に3〜5 cmの直線を一定速度で引きます。強く押しつけすぎると表面に傷がつく場合があるため、軽いタッチで引いてください。 - 2〜3秒後の液の状態を観察する
液を引いてから2〜4秒以内に液膜の状態を確認します。この時間が判定の基準です。時間が経つほど液は乾燥・収縮するため、それ以上待つと誤判定の原因になります。 - 結果を判定する
液の状態 テスト表面の表面エネルギー値判定結果 液が均一で連続した線が引ける(濡れている) 当該番手の表面エネルギー値かそれ以上 液が水滴状にはじく(濡れ不良) 当該番手の表面エネルギー値未満 液が広がる 当該番手の表面エネルギー値よりも高い - 番手を変えて精度を上げる
ステップ5の結果をもとに、1〜2番手上下の番号のペンで同様の手順を繰り返し、値を絞り込みます。例えば38 mN/mで「濡れている場合」→ 40 mN/m、「はじいている場合」→36mN/m という風に、濡れる/濡れないの境界を探します。
⚠️ よくある失敗と注意点
- 同じ箇所への再塗布はNG: 1回目の液が残った状態で重ね引きすると値がずれます。必ず未使用の面、または拭き取り後に行ってください。
- ペン先の乾燥: 使用後はすぐにキャップを閉めてください。乾燥するとインク濃度が変わり測定誤差の原因になります。
- 温湿度の影響: 温度・湿度が高い環境では表面エネルギーが変動しやすいため、なるべく室温程度(20℃前後)、湿度50%前後の環境で測定してください。おおむね10℃毎に1mN/m程度変動します。
- 表面改質直後に判定: プラズマ処理やフレーム処理の直後は表面エネルギーが最大値を示しますが、時間経過で低下します。処理後の経過時間も記録することを推奨します。
- 同じ種類(色)で判定: 判定は必ず同一種類(色)のペン・インクで行ってください。ペン・インクの種類によって組成が異なるため、測定値が異なる場合があります。
▶ 動画でも確認できます
実際の判定の様子は動画でも確認できます。
3. 製品ラインナップ
用途に合わせて、インクの種類を選択できます。
- ブルー(30~70mN/mがISO 8296準拠): 18〜105mN/mと幅広いレンジに対応しています。
- ピンク(環境対応): 非毒性で安全性が高い。22〜60mN/mに対応しています。
- オーガニック: 有害物質フリー。SDS不要で人にも環境にも優しい。30~46mN/mに対応しています。
4. ダインペン・インク 価格表
Arcotest社製ダインペン・ダインインクの在庫品・取り寄せ品およびセット特別価格の詳細一覧です。
2026年6月1日より下記価格に変更します。
| 色 | 種類 | 在庫品 | 取り寄せ品 | セット品特別価格 |
|---|---|---|---|---|
| ピンク | ペン | 30-44の偶数番手 :6,000円 |
22-60 の偶数番手(左記以外)と31-59 :8,000円 |
30/32/34/36/38/40/42/44mN/m 8本セット:44,000円 |
| インク | (無し) | 22-60の偶数番手と31-59 :8,000円 |
32/34/36/38/40/42/44mN/m 7本セット:44,000円 お好きな番手7本選択:53,000円 |
|
| ブルー | ペン | 28-72の偶数番手 :8,000円 |
29-59の奇数番手 :8,000円 |
28〜72mN/m(偶数) 23本セット:174,000円 お好きな番手8本選択:58,000円 お好きな番手4本選択:30,000円 |
| インク | 20-72の偶数番手 :7,500円 |
29-57の奇数番手 :7,500円 |
18〜72の偶数番手と 74/76/84/90/105mN/m 33本:250,000円 18~72mN/mから お好きな番手7本選択:50,000円 |
|
| 透明 | インク | 18mN/m :7,500円 |
74/76/84/90/105mN/m :17,000円 |
上記33本セットに含まれます |
| グリーン (オーガニック) |
ペン インク |
(無し) | 30-46の偶数及び奇数番手 :8,000円 |
ペン(30/32/34/36/38/40/42/44mN/m)8本:58,000円 30/32/34/36/38/40/42/44mN/m から お好きな番手4本選択:30,000円 インク(32/34/36/38/40/42/44mN/m)7本:54,000円 |
※18, 74, 76, 84, 90, 105mN/mのインクは液が透明なタイプとなります。
5. 導入のメリット
ダインペンを導入することで、表面処理工程の品質管理において多くのメリットが得られます。
- 即時性: 現場で数秒で判定可能です。
- 品質の安定: 処理不足による接着・印刷不良を未然に防止します。
- 一次スクリーニング: 高価な接触角計を導入する前の簡易評価として有効です。
Arcotestダインペン・インク(オーガニック)
6. ペンタイプとインクタイプの使い勝手の違い
ダインペンには「ペン型」と「ボトル(インク)型」の2種類があり、用途や要求される精度によって使い分けることができます。
| 比較項目 | ペンタイプ | インクタイプ |
|---|---|---|
| 主な用途 | 現場での抜き取り検査 | 研究開発・精密評価 |
| 操作性 | 非常に手軽(蛍光ペンと同じ) | 一定の慣れが必要 |
| 汚染リスク | 中(ペン先が接触) | 低(綿棒使い捨て) |
現場でスピーディーに確認したい場合はペンタイプ、油分等の汚染を避け厳密に管理したい場合はインクタイプで綿棒を都度使い捨ていただくことを推奨します。
Arcotestダインペン・インク(ピンク)
7. よくある質問(FAQ)
Q:ペンタイプとインクタイプ、どのように使い分けるのが一般的ですか?
A:使う「場所」や「頻度」でお選びいただけます。
現場でのスピーディーな検査には携帯性に優れたペンタイプ、試験室での厳密な評価や、基材の油分による汚染を徹底的に避けたい環境では、使い捨て綿棒を使用するインクタイプが推奨されます。
Q:製品の使用期限はどのくらいですか?
A:開封後、概ね6ヶ月を目安としています。
キャップの開閉に伴う溶剤成分の揮発や、空気中の水分吸収によって数値が変化する可能性があるためです。特に低・高ダイン数は変化しやすいため、定期的な買い替えをお勧めします。
Q:保管上の注意点はありますか?
A:直射日光を避け、冷暗所に保管してください。
高温下での保管はインクの劣化を早めます。使用後はすぐにキャップをしっかり閉め、溶剤成分の蒸発を防いでください。保管温度は室温程度(概ね15~25℃)を推奨します。
Arcotestダインペン・インク(ブルー)
8. 資料ダウンロード
Arcotest社製ダインペン・インクの価格表や、表面処理装置・ダスト除去装置等、御社の歩留まり向上に貢献する製品の資料を公開しています。社内検討にぜひご活用ください。
最新の製品カタログが手に入ります
各種表面改質・表面処理装置を取り扱っております!
ケーブラッシュ商会では、ダインペン以外にもプラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理など、用途に合わせた最適な表面処理ソリューションをご提案しております。お気軽にお問い合わせください。
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