
STATIC CONTROL FOR WINDING ROLLS
巻けば巻くほど、ロールに静電気が蓄積していませんか?
紙・フィルム・ガラスクロスなどの巻取り工程では、 搬送中に帯電した材料をそのまま巻き取ることで、 巻取ロールに静電気が蓄積していくことがあります。
ロールtoロールの生産工程では、紙やフィルムなどがガイドロールや生産設備との 接触・剥離・摩擦を繰り返しながら搬送されます。 樹脂フィルムなど電気を逃がしにくい材料では、強い静電気を帯びた状態で巻取り工程へ到達することがあります。
その状態で巻取りを続けると、静電気を帯びた材料が次々とロールへ巻き込まれます。 そのため巻取ロールでは、 作業者への放電、ゴミ・ホコリの吸着、次工程への帯電の持ち越し などが問題になることがあります。
PROBLEM
巻取ロールに静電気が蓄積すると、何が起こる?
⚡ 作業者への放電
強く帯電した巻取ロールへ作業者が触れた際に、「バチッ」と放電する原因になることがあります。
● ゴミ・ホコリを吸着
帯電したロールが周囲のホコリ、繊維クズ、微粒子などを静電気で引き寄せ、異物付着の原因になることがあります。
↻ 次工程へ帯電を持ち越す
強く帯電したロールを次工程で巻き出すと、再び静電気トラブルを引き起こす可能性があります。
◎ 品質・作業性への影響
静電気による異物付着や放電は、製品品質だけでなく、巻取ロールの取り扱いや後工程の作業性にも影響します。
STATIC ELECTRICITY ON WINDING ROLL
⚡ 帯電した材料を巻き取ると、巻取ロールにも静電気が蓄積

ポイント: 巻取ロールだけを見て対策するのではなく、 「静電気を帯びた材料をロールへ巻き込んでいる」ことを考えて除電方法を検討することが重要です。
💡 走行フィルムの除電と、巻取ロールの除電は分けて考えます
巻取り工程の静電気対策には、 巻取り直前の走行フィルムを除電する方法と、 巻取ロールへ直接イオンを放射して除電する方法があります。 本記事では特に、巻取ロールへの静電気蓄積と、 巻取りによってロール径が変化する工程での除電方法を中心に解説します。
巻取り直前の走行フィルムを除電する方法について詳しく知りたい方は、 フィルム巻取り工程の静電気対策|巻取り前に除電する方法 もご覧ください。
📑 この記事の内容
WHY DOES IT HAPPEN?
なぜ巻取ロールに静電気が蓄積するのか
紙やフィルムは、製造・加工ラインを走行する間に、 ガイドロールとの接触・剥離、設備との摩擦などによって静電気を帯びます。 特に樹脂フィルムなど電気を逃がしにくい材料では、帯電が残りやすくなります。
その帯電した材料を巻取ロールへ連続して巻き込むことで、 巻取り工程の終端に静電気が集まるような状態になります。 そのため、巻取ロール周辺は静電気対策を検討する重要なポイントです。
巻取ロール対策のポイント
「巻取ロールが帯電してから何とかする」だけではなく、 ① 巻取り直前で静電気を中和する、 さらに必要に応じて ② 巻取ロールへ直接イオンを放射する という2つの考え方があります。
INSTALLATION METHOD
巻取ロールの静電気を除去する2つの方法
巻取ロールの静電気対策では、 静電気を帯びた材料をそのまま巻き込ませない ことが基本です。
そのうえで、帯電量や搬送速度、材料、巻取ロールの状態などに応じて、 巻取ロールそのものへ直接イオンを放射する方法 も検討します。
巻取り直前のフィルムを除電してから巻き取る
まず基本となるのが、 巻取ロールへ入る直前の走行フィルムを除電する方法です。
搬送中に帯電したフィルムへイオンを供給し、静電気を中和してから巻き取ります。 帯電したフィルムをそのままロールへ巻き込むことを抑える、シンプルな考え方です。
📷 設置例①|巻取り直前でフィルムを除電

この方法のポイント
静電気を帯びたフィルムが巻取ロールへ入る前に除電します。 フィルムの帯電状態によっては、 表裏それぞれへイオナイザを設置する構成 も検討します。
走行フィルムの除電を詳しく知りたい方へ:
巻取り直前のフィルム除電、除電方式の比較、高速搬送時の機種選定については、 フィルム巻取り工程の静電気対策|巻取り前に除電する方法 で詳しく解説しています。
巻取り直前+巻取ロールを直接除電
巻取り直前の除電だけでは十分に静電気を抑えられない場合には、 巻取ロールへ直接イオンを放射する方法 も検討できます。
例えば、1本のスマートイオンで巻取り直前の走行フィルムを除電し、 もう1本を巻取ロールへ向けて設置します。 「巻き込む前」と「巻取ロール」の2か所から静電気対策 を行う考え方です。
📷 設置例②|走行フィルム+巻取ロールを除電

この方法のポイント
巻取り前のフィルムだけでなく、 巻取ロール表面へも直接イオンを届けることで、 巻取ロール周辺の静電気対策を強化できます。
💡 ここからが巻取ロール除電の重要ポイント
巻取ロールへ直接イオンを放射する場合、 巻取りが進むにつれてロール径が大きくなる ことを考えなければなりません。 ロール径が変化すれば、イオナイザとロール表面との距離も変化します。
2つの方法を整理すると
方法① 巻取り前で除電
帯電した材料を巻取ロールへ持ち込まないための基本的な静電気対策。
方法② 巻取ロールも直接除電
巻取り前の除電に加え、巻取ロールへ直接イオンを放射して静電気対策を強化。
CHANGING ROLL DIAMETER
巻取りでロール径が変化しても除電するには
巻取ロールへ直接イオンを放射する場合、見落とせないのが 巻取りによるロール径の変化です。
巻取り開始時には小さかったロール径が、材料を巻き取るにつれて徐々に大きくなります。 イオナイザの位置を固定したまま使用する場合、 巻取り開始時と終了時では、イオナイザからロール表面までの距離が変化 します。
💡 巻取ロールでは「除電距離」が一定ではありません
巻取り開始時にはイオナイザからロール表面までの距離が遠く、 巻取りが進んでロール径が大きくなるにつれて距離が近くなります。 そのため、巻取ロールへの直接除電では、 ロールの最小径から最大径までを考慮した除電距離 が重要になります。
INSTALLATION EXAMPLE
📷 ロール径が変化する巻取り工程での設置例

設置のポイント: 巻取ロールへスマートイオンを向けて固定し、 巻取り開始時の小径状態から、巻取り終了時の大径状態まで を考慮して設置位置を決めます。 実際の選定では、最小径・最大径・ロール幅・帯電量・搬送速度などを確認します。
なぜスマートイオンは巻取ロールへ設置しやすいのか?
スマートイオンはパルスDC方式を採用し、 圧縮エアーを使用せず、離れた位置からイオンを供給できます。 そのため、巻取りによってロール表面までの距離が変化する工程でも、 最小径・最大径を考慮しながら固定位置での設置を検討できます。
COMPARISON
巻取ロールの静電気対策|除電方式を比較
巻取り工程では、単純な除電能力だけでなく、 巻取ロールまでの距離変化、帯電の強さ、圧縮エアーの使用可否 なども除電方式を選ぶポイントになります。
代表的な方式として、ブローフリーのスマートイオン、エアブロー式イオナイザ、 電源不要の除電ブラシ・除電ひもを比較します。
| 比較項目 | ブローフリー スマートイオン |
エアブロー式 イオナイザ |
除電ブラシ・ 除電ひも |
|---|---|---|---|
| 強い帯電への対応 | ◎ | ○~◎ | △ |
| 巻取ロールへの直接除電 | ◎ | ○ | △ |
| ロール径変化への対応 | ◎ | ○ | △ |
| 遠距離からの除電 | ◎ | ○~◎ | △ |
| 圧縮エアー | 不要 | 必要 | 不要 |
| 除電器からの気流 | 発生させない | 発生する | 発生させない |
| ランニングコスト | 低い | 圧縮エアー消費あり | 非常に低い |
| 強く帯電する巻取り工程 | ◎ | ○~◎ | △ |
| 向いている条件 | 強い帯電、径が変化する巻取ロール、圧縮エアーを使いたくない工程 | 圧縮エアーを使用できる工程、局所的に強く除電したい工程 | 軽度な帯電、近距離、低コストを優先する工程 |
※ ◎・○・△は一般的な方式特性をもとにした目安です。 実際の除電性能は、帯電量、搬送速度、材料、ロール幅、設置距離、周辺設備などによって変わります。 特に高速搬送や強い帯電がある工程では、実際の使用条件を確認したうえで機種・設置位置を選定します。
巻取ロールでは「強さ」だけでなく「距離の変化」がポイント
巻取ロールへ直接除電する場合、 巻取り開始から終了までロール表面の位置が変化します。 そのため、 強い帯電へ対応できることに加え、変化する除電距離を考慮できる方式 が選定しやすくなります。 スマートイオンは、こうした巻取り工程で検討しやすい除電方式のひとつです。
WHY SMART ION?
スマートイオンが巻取り工程に適している理由
巻取り工程では、強い帯電への対応だけでなく、 除電距離、ロール径の変化、設置スペース、圧縮エアーの使用 など、複数の条件を考えてイオナイザを選定する必要があります。 スマートイオンは、こうした巻取り工程で検討しやすい特長を備えています。
⚡ 強い帯電へ対応
スマートイオンはパルスDC方式を採用しています。 正負のイオンを生成して帯電した材料へ供給し、 巻取り工程で発生する静電気を中和します。
↔ 離れた位置から除電
巻取ロールから一定の距離を取った位置へ設置できるため、 巻取りによってロール径が変化する工程でも、 最小径・最大径を考慮した設置を検討できます。
🌬 圧縮エアー不要
イオンを搬送するための圧縮エアーを必要としません。 エアー配管が不要で、圧縮エアーの消費によるランニングコストも抑えられます。
◎ 除電器から気流を発生させない
圧縮エアーを吹き付けないため、除電器からの気流を発生させません。 フィルム、紙、箔などの巻取り工程で、 エアーブローを避けたい場合にも検討できます。
スマートイオンの機種・除電方式を詳しく見る
スマートイオン100D、スマートイオン121S、スマートイオン100Sなど、 各モデルの特長やパルスDC除電技術については、 ブローフリー スマートイオンの製品ページ をご覧ください。
📘 巻取り直前の「走行フィルム」を除電したい方へ
このページでは、 巻取ロールへの静電気蓄積、巻取ロールへの直接除電、ロール径の変化 を中心に解説しました。
巻取り直前の走行フィルムをどのように除電するか、 高速搬送時の機種選定などについては、 フィルム巻取り工程の静電気対策|巻取り前に除電する方法 で詳しく解説しています。
FAQ
巻取ロールの静電気対策|よくある質問
巻取り工程へのイオナイザ設置について、よくいただくご質問をまとめました。
巻取ロールの静電気でお困りですか?
巻取り工程の静電気対策では、材料や帯電量だけでなく、 ロール径の変化や搬送速度、設置距離 まで確認することが重要です。 設備条件に合わせてスマートイオンの機種や設置方法をご提案します。
ご相談時に、次の情報があると選定がスムーズです
・対象材料(フィルム、紙、箔、ガラスクロスなど)
・ウェブ幅
・搬送速度
・巻取ロールの最小径/最大径
・現在の帯電量(測定値がある場合)
・設置可能スペース
・巻取り機周辺の写真または図面
スマートイオンの仕様・機種については、 ブローフリー スマートイオン製品ページ もご覧ください。




