
射出成形で「成形品が離れない」「うまく落ちない」ことはありませんか?
射出成形では、金型から成形品を取り出す際に、 樹脂成形品が金型側に残る、グリッパから離れない、 狙った位置へうまく落下しないといったトラブルが発生することがあります。
原因は機械的な条件だけとは限りません。 樹脂成形品に発生した静電気による貼り付きが、 スムーズな離型・取り出しを妨げている場合があります。
エジェクターピン(突き出しピン)や ストリッパープレートなどで成形品を押し出しても、 帯電した成形品が金型側や周辺部へ引き寄せられると、 「押し出したのに離れない」「きれいに落ちない」という現象につながります。
射出成形の静電気対策で、特に注目したいのが
小さく、軽い成形品ほど、
静電気が「離れない」原因になる。
小型・軽量の樹脂成形品では、静電気の影響が無視できません
小型レンズや小さな樹脂部品などの軽量な成形品では、 静電気による吸着力が、離型や落下に影響することがあります。
金型が開き、エジェクターピンやストリッパープレートによって 成形品が押し出されても、静電気が残っていることで 金型側に残る、再び貼り付く、予定した位置へ落下しない といった現象につながる場合があります。
特に、一度の成形で多数の小型部品を取り出す 「多本取り」では、 一部の成形品だけが残ったり、落下が不安定になったりすることでも、 安定した連続生産を妨げる原因になります。
小型・軽量な成形品で使用実績があります
スマートイオンによる射出成形工程の静電気対策では、 実際に次のようなワークで使用実績があります。
◎ 実績のあるワーク例
💡 「突き出せている」=「静電気の影響がない」とは限りません
成形品を機械的に押し出すことができても、 その後に金型側へ残ったり、落下方向が安定しなかったりする場合があります。 特に小型・軽量品では、離型後の帯電状態も確認することが重要です。
金型が開いたときに成形品を除電する
静電気による貼り付きが原因の場合は、 金型が開いた際に成形品へイオンを照射し、帯電を中和する ことで、スムーズな離型・取り出しをサポートできます。
パルスDCイオナイザ「スマートイオン100D」は、 金型周辺から成形品へイオンを照射し、 射出成形工程で発生する静電気トラブルへの対策に使用されています。
⚙ 離型工程で静電気を除去
成形 → 金型が開く → イオン照射・除電 → 離型・取り出し → 搬送・回収
射出成形で起こる静電気トラブル早見表
射出成形の静電気トラブルは、金型からの離型だけではありません。 取り出し・落下・搬送・回収・後工程まで、 成形品が移動するさまざまな場所で問題になることがあります。
| 発生する場所 | よくある現象 | 静電気対策の考え方 |
|---|---|---|
| 金型・離型 | 成形品が金型側に残る・離れにくい | 金型が開いた際の成形品を除電 |
| グリッパ・取出し機 | 成形品がグリッパから離れない | 受け渡し時の帯電を除去 |
| 金型からの落下 | 成形品が狙った位置へ落下しない | 落下前に成形品の帯電を抑える |
| ベルトコンベヤ | 成形品がベルトに貼り付き、終端で落ちない | 搬送中・排出前に除電 |
| 回収箱・トレー | 壁面への貼り付き・スムーズに収集できない | 回収時の帯電を抑える |
| 成形後・後工程 | ホコリ・微粒子などの異物を吸着する | 帯電を除去し、異物吸着を抑える |
※離型不良・貼り付き・搬送不良には、静電気以外の要因が関係する場合もあります。 実際の現象や設備条件を確認したうえで、除電方法・設置位置を検討します。
🔍 まず確認したいのは「どこで離れなくなっているか?」
同じ樹脂成形品でも、 金型から離れないのか、グリッパから離れないのか、 コンベヤから落ちないのかによって、除電すべき場所は変わります。 静電気トラブルが発生している工程を切り分けることが、 効果的な対策の第一歩です。
工程別|射出成形のどこで静電気トラブルが起こる?
射出成形品は、金型から取り出されたあとも、 落下・搬送・回収と工程を移動していきます。 そのため、静電気対策は「金型だけ除電すれば終わり」とは限りません。
成形品がどの工程で貼り付いているのか、どこで正常に離れなくなっているのかを確認し、 その場所に合わせて除電ポイントを検討することが重要です。
⚙ 成形品の動きを追うと、除電ポイントが見えてきます
金型・離型 → 取出し → 落下 → コンベヤ搬送 → 回収 → 後工程
① 金型・離型|押し出したのに成形品が離れない
金型が開くと、エジェクターピン(突き出しピン)や ストリッパープレートなどによって成形品を金型から離型します。
ところが、小型・軽量の樹脂成形品では、 機械的に押し出されても静電気の影響によって 金型側に残る、再び貼り付く、狙った方向へ落下しない といった現象が起こることがあります。
▶ 除電ポイント
金型が開いた際に、成形品へイオンを照射して帯電を中和します。 特に小型レンズ、小型樹脂部品、多本取りの軽量部品などでは、 離型・落下を安定させるための静電気対策として使用実績があります。
設置例|金型直下の回収箱へ成形品を落下させる場合
金型での離型と、その下の回収工程をそれぞれ除電する設置例です。
① 金型周辺
金型が開いた際の成形品へイオンを照射し、 静電気による貼り付きを抑えて離型・落下をサポートします。
② 回収箱周辺
回収箱へイオンを照射し、成形品や回収箱に静電気が蓄積することで起こる 貼り付き・詰まりを抑えます。
② グリッパ・取出し機|つかめたのに、今度は離れない
取出し機やグリッパを使用する工程では、 金型から正常に取り出せても、 成形品がグリッパやハンド側に貼り付いて離れにくくなることがあります。
トレーなどへ成形品を受け渡す工程では、 「つかむ」だけでなく決められた位置で確実に離すことも重要です。 静電気による吸着が残っていると、プレース位置のずれや受け渡し不良につながる場合があります。
▶ 除電ポイント
グリッパから成形品を離すタイミングや、 トレーへ受け渡す位置での除電を検討します。
設置例|グリッパ・ハンドで取り出してトレーへプレースする場合
取り出しからトレーへの受け渡しまで、成形品の動きに合わせて除電ポイントを検討します。
① 金型・取り出し位置
金型から取り出される成形品へイオンを照射し、 成形品とグリッパ・ハンドの静電気による貼り付きを抑えます。
② 搬送中
設備レイアウトによっては、移動する成形品へイオンを照射する方法も検討できます。
③ トレーへのプレース
成形品を所定位置へリリースした後も帯電を抑えることで、 周囲のホコリ・微粒子を静電気で引き寄せにくくします。
③ 金型から自然落下|小さな成形品がきれいに下へ落ちない
小型樹脂部品では、金型が開いたあとに成形品を下方向へ落下させ、 その下に設置した回収箱やコンベヤで収集する工程があります。
ところが成形品が帯電していると、 金型や周辺部へ引き寄せられて落下が安定しないことがあります。 特に小型・軽量なワークでは、静電気による貼り付きが問題になる場合があります。
▶ 除電ポイント
成形品が金型から離れ、落下する段階で帯電を中和します。 「金型から離す」→「狙った場所へ落とす」までを 一連の工程として考えることがポイントです。
④ コンベヤ搬送|金型からは落ちた。でもベルトから離れない
金型から正常に落下しても、その先で別の静電気トラブルが起こることがあります。
小型の樹脂成形品をベルトコンベヤで搬送する場合、 成形品やベルトが帯電すると、コンベヤ終端まで来ても成形品がベルトから離れず、 回収箱へ正常に落下しないことがあります。
つまり、金型での離型が正常でも、 搬送工程の静電気によって回収不良が発生することがあります。
設置例|金型下のコンベヤで回収箱まで搬送する場合
コンベヤ上と回収位置を除電し、成形品が最後までスムーズに流れるようにします。
① ベルトコンベヤ上
成形品とベルト周辺へイオンを照射し、 静電気による貼り付きを抑えます。
② コンベヤ終端・回収箱周辺
排出位置と回収箱周辺を除電し、 成形品がベルトから離れずに回り続けたり、 回収箱へ貼り付いたりするトラブルを抑えます。
▶ コンベヤでの「くっつき」を詳しく見る
⑤ 回収箱・トレー|落ちても、今度は壁面に貼り付く
成形品が正常に落下しても、 回収箱やトレー内で帯電した小型部品が 壁面に貼り付く、詰まる、まとまって付着するなど、 スムーズに回収できない場合があります。
小さな成形品を大量に回収する工程では、 成形品や回収箱に静電気が蓄積することもあります。 金型だけでなく、最終的に成形品をどこへ回収するのかまで見て 除電ポイントを検討します。
⑥ 成形後・後工程|静電気がホコリ・異物を引き寄せる
静電気は「成形品が離れない」という問題だけでなく、 ホコリ・繊維・微粒子などの異物を引き寄せる原因にもなります。
帯電した状態で成形品が次工程へ送られると、 保管・搬送・組立などの途中で異物を吸着し、 後工程の品質へ影響する場合があります。
💡 「静電気をなくす」と「付着した異物を取る」は別の対策
まだ異物が付着していない段階なら、 帯電を抑えることで異物吸着の予防につながります。 一方、すでにホコリや樹脂粉などが付着している場合は、 除電だけでなく異物そのものを除去する工程が必要になります。
▶ 大量の小型樹脂部品に、すでに異物が付着している場合
金型だけでなく「成形品がどこへ行くか」まで見る
射出成形の静電気対策では、 イオナイザをとりあえず金型へ向ければよい、というわけではありません。
離型 → 取り出し → 落下 → 搬送 → 回収と成形品の動きを追い、 実際に貼り付きや落下不良が発生している場所を確認することで、 必要な除電ポイントが見えてきます。
🔍 こんな現象があれば、静電気を確認
- エジェクターピンで突き出したあとも成形品が残る
- ストリッパープレートで離型しても落下が安定しない
- グリッパから成形品がきれいに離れない
- 小型部品が金型から真下へ落ちない
- コンベヤ終端で成形品がベルトから離れない
- 回収箱・トレーの壁面に樹脂部品が貼り付く
- 成形後の部品にホコリ・異物が付きやすい
では、射出成形機にはどんなイオナイザが使いやすい?
次に、金型周辺への設置を考えるうえで重要な 除電方式・必要本数・設置方向・エアー配管・電源・固定方法を比較しながら、 スマートイオン100Dの特徴を紹介します。
射出成形機の静電気対策に、スマートイオン100D
射出成形機の金型周辺には、取出し機、グリッパ、センサー、配管など、 さまざまな設備があります。 そのため、イオナイザを選ぶ際には 除電性能だけでなく「どこに、何本、どう設置するか」まで 考えることが重要です。
パルスDCイオナイザ「スマートイオン100D」は、 小型樹脂成形品・小型レンズ・多本取りの軽量部品など、 射出成形工程での静電気対策に使用実績があります。
1本から、金型全体の除電を検討
スマートイオン100DはパルスDC方式を採用。 離れた位置から広い範囲へイオンを届けることができるため、 金型サイズや成形品、取り出し方向などの条件に応じて、 まず1本から金型周辺の除電を検討できます。
イオナイザの本数を抑えられれば、 設置スペースだけでなく、配線やメンテナンス箇所を シンプルにできるメリットがあります。
※必要本数は金型サイズ、除電距離、成形品、周辺設備などによって異なります。 すべての用途で1本による除電を保証するものではありません。
比較表|射出成形機で使うイオナイザ、何を比較する?
射出成形機では、除電性能だけでなく 必要本数・設置方向・エアー配管・電源・固定方法も 使いやすさを左右します。 スマートイオン100Dと、一般的なイオナイザの設備構成を比較します。
| 比較項目 | スマートイオン100D | 一般的なイオナイザ |
|---|---|---|
| 除電方式 | パルスDC | AC・パルスAC・DCなど |
| 金型周辺への設置 | 1本から検討可能 | 機種・除電範囲による |
| 設置方向 | 上・下・左右から検討可能 | 機種・設置条件による |
| 除電用エアー | 不要(ブローフリー) | 機種による |
| 圧縮エアー配管 | 除電用としては不要 | エアー使用機では必要 |
| 高電圧電源 | 本体内蔵 | 機種による |
| 別置きコントローラー | 不要 | 機種による |
| 給電 | 24VDC | 機種による |
| 100VAC電源への対応 | 変換ACアダプター対応可 | 機種による |
| 固定・保持 | スライダー部のM8ねじを利用 | 機種・取付方法による |
※一般的なイオナイザにはさまざまな方式・仕様があります。上表は特定メーカーとの比較ではなく、 射出成形機への設置時に確認したい項目を整理したものです。
金型に合わせて、上・下・左右から設置位置を選べる
射出成形機は、成形品の取り出し方向や金型周辺の設備構成によって、 イオナイザを設置できる場所が異なります。
スマートイオン100Dは、 「必ず金型のこの位置に設置する」という考え方ではありません。 成形品の動きや取出し機、周辺設備との干渉を確認しながら、 金型の上・下・左右から適切な照射位置を検討できます。
金型レイアウトに合わせて設置方向を検討
例えば、成形品を上方向へ取り出すレイアウトでは、 下側や側面からの設置を検討できます。 横方向へ取り出す場合には、反対側・上側・下側など、 周辺設備と干渉しない位置を検討できます。
※実際の設置位置は、金型サイズ、取出し方向、除電距離、成形品、 周辺設備などを確認して決定します。
金型周辺だからこそ、イオナイザは確実に固定
射出成形機では金型が繰り返し開閉し、 取出し機などの周辺設備も動作します。 イオナイザを設置する際には、 除電位置だけでなく、安全に保持できる固定方法も重要です。
⚠ 金型周辺では、確実な保持をおすすめします
金型の開閉や振動があるため、設置時にはイオナイザが脱落・移動しない 保持方法をご検討ください。
スマートイオン100Dには、 スライダー部のM8ねじを固定・保持に利用できます。 設備側のブラケットなどと組み合わせ、 金型周辺へ確実に保持することができます。
除電用エアー不要|ブローフリーで金型周辺をシンプルに
スマートイオン100Dは、 イオンを飛ばすための圧縮エアーを使用しません。 そのため、除電用のエアーチューブや圧縮エアー配管は不要です。
いわゆる「無風」での除電を検討している射出成形工程にも使用できますが、 スマートイオンではこの方式を 「ブローフリー」と表現しています。
※「ブローフリー」は、スマートイオン自体が除電用エアーを吹き付けないという意味です。 金型の開閉や周辺設備などによって発生する気流がないことを意味するものではありません。
高電圧電源を本体に内蔵|24VDCを接続するシンプル構成
スマートイオン100Dは、 イオン生成に必要な高電圧電源をイオナイザ本体に内蔵しています。 別置きの高電圧電源やコントローラーを設置する必要はありません。
本体からは屈曲性に優れた24VDCケーブルを直接引き出しており、 24VDC電源へ接続して使用します。
⚡ スマートイオン100Dの電源構成
24VDC → 屈曲性の良い電源ケーブル → スマートイオン100D
高電圧電源内蔵
設備側に24VDC電源を用意できない場合は、 100VACから24VDCへ変換するACアダプターと 組み合わせて納入することも可能です。
スマートイオン100Dを射出成形機へ設置するメリット
- パルスDC方式で広い金型エリアへの除電を検討できる
- 1本から金型周辺の除電を検討できる
- 金型・取出し方向に合わせて上・下・左右から設置位置を選べる
- 除電用エアー不要(ブローフリー)でエアー配管が不要
- 高電圧電源内蔵で別置き電源・コントローラー不要
- 24VDC給電。必要に応じて100VAC変換ACアダプターにも対応
- スライダー部のM8ねじを利用して確実に固定・保持できる
よくある質問|射出成形の静電気対策
射出成形機での離型不良・貼り付き・落下不良など、 静電気対策についてよくあるご質問をまとめました。 実際の設置位置や必要本数は、金型サイズ・成形品・取り出し方向・周辺設備などによって異なります。
設置検討では、金型とワークの情報が重要です
射出成形機へのイオナイザ設置では、 単純に「何mmのイオナイザが必要か」だけでは判断できません。 成形品の動きや金型周辺のレイアウトまで確認することで、 必要本数や設置位置を検討しやすくなります。
📋 ご相談時にわかると選定しやすい情報
- 成形品の材質・サイズ・重量
- 小型部品の場合は1ショットあたりの個数(多本取り数)
- 金型のおおよそのサイズ
- 成形品の取り出し方向
- エジェクターピン・ストリッパープレートなどの離型方法
- 金型・グリッパ・コンベヤなど、どこで貼り付きが起きているか
- 現在の設備写真や簡単なレイアウト
成形品にすでにホコリ・樹脂粉が付着している場合は?
スマートイオンは静電気を中和するためのイオナイザです。 すでに大量の小型樹脂部品へホコリ・樹脂粉・微粒子などが付着しており、 異物そのものを除去したい場合は、 クリーニング工程として別の対策が必要になります。
▶ 大量の小型樹脂部品をまとめて除塵したい場合
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金型サイズ、ワーク、取り出し方向、現在起きている現象をお知らせいただければ、 スマートイオンの設置方法・必要本数を検討します。
金型から離れない。落ちない。グリッパから離れない。
まずは「どこで離れないか」を確認することから、静電気対策は始まります。



