
フッ素ゴム(FKM)やFFKM(パーフロ)は、自動車、半導体、宇宙産業において不可欠な高機能素材です。しかし、その材料価格は1kgあたり5,000円から、最高級グレードでは200,000円以上に達することもあり、製造工程で発生する端材の「リサイクル」は、企業の利益率を左右する最重要課題となっています。
目次
REP社とは :REP Internationalはゴム成形技術の世界的パイオニア
フランスに本社を置くREP International(レップ・インターナショナル)社は、100年以上の歴史を持つゴム射出成形機の世界的トップメーカーで世界初めてゴム専用の射出成型機を製造した会社でもあります。
- グローバルな信頼: 世界中に広がる販売・サービスネットワークを持ち、業界のスタンダードとして数多くの実績を誇り今まで1万台以上の射出成形機を納入しております。
- サステナビリティの追求: 「廃棄物を資源に変える」というビジョンのもと、100%化学薬品不使用の再生プロセスを実現し、ゴム業界のサーキュラーエコノミーをリードしています。
HSR(高剪断再生)技術:従来の「脱硫」を超えた物理的再生
HSR(High Shear Regeneration)は、ISO 2382:2020に基づき、化学薬品を使う「脱硫」とは明確に異なる再生(Regeneration)」技術として定義されています。
HSRの独自メカニズム
ローターとステーターによる強力な剪断(けずり)力と伸張ストレスをゴムに与えることで、メインチェーン(主鎖)を破壊することなく、架橋結合のみを選択的に切断するサーモメカニカルプロセスを実現しました。
- 100%物理的処理: 添加剤や化学薬品は一切不要。
- 物性の維持: 元の配合特性を最大限に維持したまま再利用が可能です。
- オンサイト対応: 10m²未満の省スペース設計で、工場の成形ライン横に設置し、発生した端材をその場で再生できます。
対応可能なゴムの種類:あらゆる配合を「資源」へ
HSR技術は極めて汎用性が高く、一般的な合成ゴムから、最もリサイクルが困難とされる高機能フッ素ゴムまで、幅広い材料に対応しています。
- 高機能・特殊ゴム: FKM(フッ素ゴム)、FFKM(パーフロ)、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレン)など、高単価かつ毒性リスクのある材料に最適。
- 汎用ゴム: NR(天然ゴム)、SBR、EPDMなど、あらゆる合成ゴムに対応。
- 特殊形状: 発泡ゴムのように低密度な材料も処理可能です。
再生されるゴムの状態:高精度な微細粉末への転換
HSRプロセスによって再生されたゴムは、均一で高品質な微細粉末(パウダー)として出力されます。
- 500ミクロン以下の均一性: 処理後のゴムは非常に細かな粒状となり、基本的には500ミクロン(0.5mm)以下のパウダー状になります。
- 厳格なサイズ選別(ふるい工程): 装置内には「ふるい」による選別機構が組み込まれています。500ミクロンより大きな粒子は自動的に排除され、再度処理工程へと送り戻されるため、常に一定のサイズ以下の材料のみが回収されます。
- 直接的な再利用: この微細なパウダー形状により、新規コンパウンドへの混練・分散がスムーズに行えます。

HSRで処理をしたゴムを再利用するフローイメージ図
HSRの動画になります。
驚異のROI:FKM/FFKMユーザーへの経済的インパクト
材料価格が高騰する中、高付加価値な材料ほどHSRの導入メリットは巨大になります。
試算条件
8時間/1日、250日/年、稼働率70%、処理量は想定平均値35㎏/時とする。
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ゴムの種類 |
価格の目安(/kg) |
HSR導入の経済的効果 |
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標準FKM |
4500円 |
約7年目での初期投資回収が可能(5t/年処理時) |
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特殊FKM |
9,000円 |
3年で回収可能、毎年4000万円近くコスト削減! |
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FFKM |
150,000円 |
少量のリサイクルでも爆発的な利益向上! |
収益シミュレーション: 約4,500円のFKMを運用する場合でも稼働時間を増やせば、2年~3年で初期費用を回収でき、それ以降は毎年数千万円の利益を生み続けてくれます。
リサイクルFKMを10%、20%配合した際の物性比較。引き裂き抵抗はバージンと比べると劣っているがそれ以外の物性は良好な状態を保っている。
※上記データは一例であり、すべてのFKMが同じ結果になるとは限りません。
競合技術との比較
REP社の物理的処理以外に一般的な「二軸押出機」を用いる脱硫方法あり、その二軸方式とHSRの違いを簡単にまとめると以下のようになります。
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比較項目 |
REP社 HSR |
一般的な二軸押出機 |
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安全性 |
有毒な副生成物の発生なし |
高温処理時に毒性分子の発生リスク |
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品質保持 |
低温・低圧処理で劣化を抑制 |
高温・高圧で材料が劣化しやすい |
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安定性 |
処理後の物性安定度が低い |
処理後の物性安定度が安定しやすい |
ESG経営と脱炭素社会への貢献
FKMの新規製造には1kgあたり平均8kgのCO2が排出されますがHSRを導入することで、年間40,000kg以上のCO2排出削減が可能です。これは環境負荷低減を重視する主要顧客にとって、強力な競争優位性となります。
結論:ゴムリサイクルの新基準
REP社のHSR技術は、高価なFKM/FFKMをはじめとするあらゆるゴムの廃棄を「利益」に変え、同時に作業者の安全と環境保護を両立させる、現代のゴム加工における最適解です。
「自社の廃材でどれほどの利益が出るか知りたい」「特定の配合がリサイクル可能かテストしたい」という方は、世界が認めるREP社のソリューションをぜひご検討ください。
この記事を書いた人
株式会社ケー・ブラッシュ商会 営業部3課 マネージャー 杉本 圭
1981年生まれ 神奈川出身。入社以来20年以上表面処理機の営業を担当。様々な依頼とテストこなし表面処理の知識を日々習得中。
2014年からはゴムの射出成形機(REP社製)も担当中。
釣りにキャンプにツーリング、アウトドア系の趣味が多い。この度狩猟も始めた新米ハンター。
当面の目標は獲ったイノシシ肉でソーセージとチャーシューを作ること。





