
フレーム処理とは
フレーム処理とは、コロナ処理やプラズマ処理と同様、樹脂や金属の表面活性に用いられる処理方法です。
フレーム処理機もプラズマ処理機も、接着力・親水性・密着力の向上を目的としています。
フレームの炎の中にもプラズマが存在しており、フレーム処理機は「フレームプラズマ」と呼ばれることもあります。
詳しくはこちらのリンクへ。
フレーム処理機の種類
フレーム処理機は大きく分けて2種類の制御方式があります。ひとつは機械制御のアナログタイプ、もう一つは電子制御のデジタルタイプです。
どちらも濡れ性の改善という用途において大差はありませんが、客先の用途要望に応じて選んでいただいております。
FTSシリーズ
基本構成として浮き子式流量計と比率制御方式のガス調整機構を有したタイプになります。
基本的な空気の供給源は内蔵したブロアとなり、そのブロアの回転数をインバータを介して変更して流量を可変できる「DR」タイプと
外部から圧縮空気にする「D」タイプがあります。
価格的に一番お求めやすく導入のハードルが低く扱いやすい設備です。
※「DR」「D」はすべて共通
FTS401DR
FTSの特徴として浮き子式の流量計を搭載 (写真は400サイズ用流量計)
FTSsoシリーズ
基本制御は機械式のまま浮き子式流量計をマスフローへ換装し、流量表示をデジタル化したタイプです。
表示をデジタル化することで作業者による流量の読み間違いを防ぐことが出来ます。
また流量の上下限設定も可能となり、不意の比率変動時にアラームを出して製品管理を容易にすることができます。
求められる性能と使い勝手、価格のバランスが良い設備です。
FTSsoはデジタル表示により誰が見ても処理時の流量が一目でわかるようになりました。流路の関係で200サイズでも準大型制御盤となります。
EFTシリーズ
流量表示のデジタル化はもちろんのこと、ガスと空気の流量制御も電子式にすることで常に一定、流量、比率を保ち続けることができます。
できる範囲が広くより正確に処理を行い品質管理レベルをもう一段上げたいという客先向けの設備です。
大きさの違い
FTSは05型と呼ばれる最大空気量が50L/minサイズから、FTSsoとEFTは200L/min流れる20型から1000L、2000Lなど大型の設備までラインナップしており、
それ以上の大型機も設計製造が可能です。
小型のFTS発信機(50型から400型)は約60x60x60㎝サイズととてもコンパクトな発信機で、場合によっては持ち運びも可能なサイズです。
この流量によるサイズの違いは「どれぐらいの大きさのバーナー」を「どれぐらいの勢いで使うのか」によって変わってきます。
例えば50mmのバーナーを使う予定なのか、100mmなのか、200mmなのか。
また100mmのバーナーでも弱い炎を出すのか、動いても消えない強い炎を出すのかによって同じバーナー長でも必要となる空気量(火力)も変わってきます。
まずはサンプルテストを通して必要な火力を確認する必要があります。
テストでは100mmまたは200mmのバーナーを用いて処理を行いますが、バーナーが長くなっても必要な空気量との比率は一定です。
100mmのバーナーで100L/minの空気が必要ならば500mmのバーナーでは500L/minの空気が必要という事がわかります。
そのため短いバーナーでも十分試作検討を行うことが出来ます。
2000サイズを超えると特注の制御ボックスとなります。(写真は4000サイズ)
性能の違い
表面改質能力という点においてはどの機種を選んでも差はなく、すべてのタイプで問題なくフレーム処理をかけることが可能ですが
大きな違いはすでに記載しているように制御関係です。
soタイプは半デジタル、EFTタイプはデジタルのため空気量、ガス量のリアルタイムモニタリング、流量異常によるアラーム機能などアナログタイプのFTSでは制御できなかったことが
可能になります。EFTタイプはこれに加えて流量の自動調整、処理条件の事前登録機能やガス種切り替え機能など多岐にわたる機能が追加されております。
現在の流量が一目で確認できるため、デジタルタイプが量産では非常に多く使われておりますが、特にsoタイプがコスト的にもバランスがとれているためEFTよりも好まれております。
最後に
Arcote社製のフレーム処理機は小型機から大型機、複数バーナーの特注機など仕様に応じた設備を提供しており、様々なアプリケーションに対応可能です。
日本国内にデモ機を有してサンプル作成を常時受け付けております。お気軽にお声がけください。