目次
ピストンリングとは
ピストンリングに異物が付着してると問題を引き起こす
動画：ピストンリングをCO2スノードライ洗浄
CO2スノージェット洗浄装置のメリット
CO2スノーの洗浄のメカニズム
関連情報
ピストンリングとは
ピストンリングは、内燃エンジンのピストンに付ける部品です。
ピストンリングがあることで、シリンダーの側壁とピストンで燃焼ガスの漏れを防ぐシールの役割しています。
また、シリンダー内で燃焼ガスが爆発するとシリンダー内の温度が上昇するので、熱をピストンリングがシリンダーへ熱を逃がす役割があります。
そして、シリンダーとピストンリングが摺動する部位に、潤滑油の油膜を必要量に調整するのも、ピストンリングの役割です。
ピストンリングに異物が付着すると問題を引き起こす
ピストンリングに異物が付着していると、ピストンリング本来の機能を損ない問題につながる可能性があります。
例えば、ピストンリングとシリンダー壁の間に異物が介在していると、燃焼ガスのシール性が低下につながります。これは、エンジンの性能を低減させる重要な問題です。
また、金属異物が付着したピストンリングは、ピストンの昇降運動の時に、金属異物がシリンダー側壁を傷つける可能性があります。これは燃焼ガスのリークや、潤滑油の機能を低下させて、摺動性低減につながる可能性があります。
こうした問題を未然に防ぐため、ピストンリング製造工程では、表面の付着異物をクリーニングする必要性があります。
動画：ピストンリングをCO2スノードライ洗浄
動画を解説：
洗浄するピストンリングは治具で保持され回転しています。
CO2スノーを放射するノズルは上下に昇降して、ピストンリング表面をドライ洗浄します。
局所排気用の吸込み口が設置されています。
室内の二酸化炭素濃度の上昇を防ぎ、また表面から除去されたものを排出します。
ここがすごい！
◆ピストンリングにダメージ無し！
◆小さな凸凹があるピストンリングをドライ洗浄！くぼみ もしっかり洗浄しています。
◆微細なゴミやホコリの除去だけでなく、金属異物・油皮膜・薄膜粘着系異物もドライ洗浄します。
◆洗浄後の表面はドライなので、次工程で乾燥は不要です。
◆ピストンリングがきれいになると、次工程の検査機の検出率が低減するので、歩留まり・良品率向上につながります。
◆ユーティリティーにドライアイスは不要です！
◆ACP社が開発した液化CO2液送技術で、配管は結露無しです。
写真：CO2スノージェット洗浄装置でピストンリングをドライ洗浄
CO2スノージェット洗浄装置のメリット
CO2スノージェット洗浄装置は、ブラストメディアとして液化炭酸ガスを使用します。ドライアイスを使用しません。
二酸化炭素の物理的・科学的・熱的な力を利用してドライ洗浄します。
洗浄装置のノズルから噴霧するCO2スノーは、毒性が無く 不燃性です。CO2スノージェット洗浄で、ピストンリングの凸凹がある表面をドライ洗浄するのに適しています
ノズルから噴霧されたCO2は、ピストンリングの表面に衝突すると昇華します。これにより、表面の汚染物や小さな微粒子は冷やされて脆化して、昇華の力で表面から取り除かれます。
CO2スノーの硬度はとても小さいので、ピストンリングの表面にダメージを与えずにドライ洗浄します。
写真：ノズルから噴霧したCO2の結晶が製品の汚染物を洗浄
ACP systems AG 社が開発したドライ洗浄技術は、超音波洗浄機や高圧洗浄方式と比べ、ピストンリング表面にやさしい洗浄方法です。
CO2スノージェット洗浄装置は自動化ラインにも適しています。また、独立した自動洗浄工程を用意して使用方法が可能です。
CO2スノージェット洗浄装置の洗浄のメカニズム
1 CO2スノーの衝撃で洗浄
CO2スノーを加速させて基材に衝突することにより、マイクロブラスト効果があります。
2 急速冷却
低温のCO2スノーが汚染物を急速冷却して脆化させます
3 CO2スノーの膨張エネルギーで洗浄
昇華によりCO2の体積が600～800倍に膨張。膨張する時のエネルギーで表面を洗浄します。
4 溶剤効果
シクロヘキサンと同等の溶剤効果で表面を洗浄します。
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