
ガラス繊維(グラスファイバー)は、プリント配線基板・FRP・防水床材用シート・建築物の壁の補強材・煙突のフィルターなど、様々な用途で使われております。ガラス繊維の製造工程では、アキュームやロールトゥロールのプロセスでウェブ状のガラス繊維をガイドを介して搬送するプロセスがあります。ガイドロール部とウェブの接触により、剥離帯電が起こり、ウェブは静電気を帯びていきます。
接触・剥離を繰り返して静電気を帯びたウェブ表面は、工場ダストや浮遊塵を静電気で引き寄せる原因になり、表面に付着異物が出来る原因になります。ガイドロール部だけでなく、送出し部・巻取り部でも同様の問題が発生します。ケバ・異物・ガラス屑・繊維屑の付着は、歩留まり低減や納品先でのクレームの原因となるだけではなく、静電気が数十kVに達するので、作業環境の悪化を招き、静電気そのものが問題になるのです。
お客様の課題・ご要望
事例の納入先の工場では、グラスファイバーのロール幅1700mm。除塵対象の異物は、磨耗で発塵したダスト・金属粉・接着テープの残留物・繊維クズ・染料の残留物など。これらの異物が製品であるガラス繊維に付着することにより、納品先でクレームの原因になっていました。
解決策
ロータークリーン100型の写真です
グラスファイバーの片面をインラインで除塵するため、ロータークリーン100型と繊細なガラス繊維を安定化させるためサポートのロールが導入されました。設置のためトラバースも特注して取り付けられました。洗浄装置のブラシ回転速度は、生産ライン速度に合わせて設定します。ロータークリーン100型のシャフトの回転を制御するスイッチギアは、ロータークリーンのハウジング内部に搭載されています。別置の集塵・制御ユニットESUCは、洗浄装置の上部プラットフォームに設置されました。
運転データ
■ワーク:グラスファイバー
■洗浄装置:ロータークリーン100
■処理幅:1700mm
■ブラシ:PA6,6 白色 Φ0.1mm
■ブラシ押込み量:1-2mm
■ライン速度:0-120m/min
■ブラシ速度:30-300m/min
■ブラシ回転方向:ワークと逆向き
■イオナイザー:ローラークリーンのインとアウトに1本づつ設置
下の写真をクリックして、ロータークリーンによる除塵の原理を動画でご視聴いただけます。
ロータークリーンは、基材表面の静電気を除電して、付着異物を回転ブラシで除去し、集塵してフィルターで捕集するまで連続して行うことができ、除塵に必要な機能がすべて装置化されています。付着異物を強力に除去するだけではありません。定期メンテナンスが簡単なので、ウェブのクリーニングが自動化し、生産性の面でも非常に優れたウェブクリーナーです。ライン新設時または既存のラインへ後付して導入することができます。
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