
タイフンクリーン012型には、飲料用ボトルのキャップをドライ洗浄する用途があります。
キャッピング・充填前に、キャップを非接触インラインでドライ洗浄する方法をご紹介します。
目 次
|| キャップからの異物混入の可能性
|| タイフンクリーンでドライ洗浄!
|| 設置例
|| 関連情報
キャップからの異物混入の可能性
飲料水メーカー様の工場では、製品を製造・出荷するまでのプロセスで、異物の混入を防ぐために様々な対策が取られています。製品をボトルに充填する前には、リンサーという工程でボトルはきれいに洗浄されてから飲料を充填します。ボトルだけでなく、キャップも洗浄が必要です。特に、キャップ内側の異物の付着は、キャッパーという機械でボトルにキャップを付けるキャッピング工程で、飲料に異物が混入する原因になるためです。ボトルキャップに付着した、毛髪・紙粉・ゴミ・ホコリなどは、キャッピング工程より前のプロセスで清掃する必要があります。
ボトルキャップを外部から調達している場合、ボトルキャップを工場で受け入れたとき、キャップには紙粉が付着しているケースがあります。キャップ内側の紙粉の付着はNGです。湿式洗浄では、洗浄設備や乾燥設備の費用負担が重く、また廃液洗浄のコストが発生します。タイフンクリーンによるドライ洗浄は、ウェット(湿式)洗浄の問題を軽減できます。
単なる、イオナイザーとエアーブロー、集塵を組み合わせても、キャップ内側には、ネジのようならせん状の凹凸があり、高低差があるので、非接触ドライで異物を集塵するのは難しいものです。
非接触ドライ洗浄をインラインで行うためには、更なる工夫が必要です。
タイフンクリーンでドライ洗浄!
写真:タイフンクリーン012型
タイフンクリーン012型洗浄用ヘッドには、
◆高速パルスエアーブロー用回転ジェットノズルを装備
◆静電気除去用スポットイオナイザ2本装備
◆異物集塵除去機能を装備
を搭載しています。
スポットイオナイザは、静電気除去用のイオンを放射するパーツです
回転ジェットノズルは、イオンを高速パルスエアーブローに乗せてキャップの内側にたたきつけて除電します。
静電気で付着した微小な異物は、パルスエアーの衝撃と微振動で表面からひきはがされて、吸引除去されます。
除去された紙粉や異物は、別置きの集塵機のフィルターで捕集します。
小さなボミやホコリを生産環境に飛散させないクリーンな集塵システムです。
集塵機には、排気側にHEPAフィルターを装着できます。集塵機をクリーンルームに入れて運用する時は、HEPAフィルターを付けてクリーンな空気を室内に排出します。
用途にもよりますが、基本的には小型・高圧集塵機と組み合わせた集塵システムをご提案させていただいています。集塵機の交換時には、小型集塵機を室外に出して交換を行います。
タイフンクリーン側の定期メンテナンスも簡単です。取付・信号・メンテナンス方法など、別途お打ち合わせにてご対応させて頂きます。
設 置 例
写真:タイフンクリーン012型DUO
メタルキャップの内側をドライ洗浄
写真は、ブリキ製スクリューキャップです。タイフンクリーン012型DUOを設置した例です。
タイフンクリーン012型DUOは、ツーヘッドを連結した構造になっていて、高速キャップラインやクリーニング回数を上げたい用途に使用します。
ブリキキャップの内側が上向きに流れてきます。そして、上部に設置したツインヘッドのタイフンクリーンは、静電気除去用のイオンを高速パルスエアーでキャップ内側にたたきつけます。付着異物をキャップから引きはがし、タイフンクリーンの吸引チャネルから除去します。
除去した紙粉・ゴミ・ホコリ等の異物は、空送用ダクトホースで排出し、別置きの集塵機のフィルターで捕集します。
このプロセスで、キャップを非接触・インラインでクリーニングします。
◆プラスチック製スクリューキャップの場合
プラスチック製スクリューキャップでも、同様にタイフンクリーンを設置してドライ洗浄に適用することができます。
PETボトルに使われるスクリューキャップには、ポリプロピレン(PP)が使われています。ポリプロピレンは、接触・摩擦によって電子(-)を受け取りやすく、マイナスに帯電しやすい材質です。
静電気は生産環境中に浮遊している微小なゴミ・ホコリ、紙粉などをキャップに吸着する原因になるので、タイフンクリーンのスポットイオナイザが威力を発揮します。
タイフンクリーンの小さなヘッド部を、既存のシュートに設置して使用します。タイフンクリーン洗浄用ヘッドに搭載された回転ジェットノズルは、パルスエアを高速発射します。高速パルスエアは、スポットイオナイザからのイオンを乗せてキャップ内面にたたきつけます。キャップを瞬時に除電し、内側のパーティクルを強力な圧縮パルスエアでキャップから引き剥がします。キャップから離れた紙粉やパーティクルを、吸引チャネルに運び、別置き集塵機のフィルターで捕集します。
パルスエアの周波数・圧力はシュートを高速で流れてくるキャップに対しても十分な除塵効果を発揮。シュートでの速度が速いときは、ツインヘッドのタイフンクリーン012型DUOを選定します。洗浄ヘッドのボディもコンパクトなので、ラインのレイアウトの変更無しに、後付することを可能にしました。
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