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製造現場の静電気|基礎から学び 不良低減につなげよう!

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製造現場の静電気|基礎から学び 不良低減につなげよう!

~製造現場での静電気について基礎からまとめました~

  

|静電気不良対策|異物付着対策|不良・歩留まり低減|ゴミ・ホコリ除去|除塵対策|を考えるためのページです。

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目次

|| 身近なところで起きている静電気
|| 物質を構成している原子や分子から静電気を考える。
|| 静電気の発生は、接触に起因しています
|| 物質が静電気を帯びる その他の要因
|| 静電気の強さ及び極性(プラス/マイナス)に影響を及ぼす要因
|| 静電気を測定する方法
|| 放電と静電気除去
|| 静電気を除去する方法
  a)自己放電型
  b)放射線による除電方法
  c)電圧印加型
  d)静電気除去液
  e)湿度管理
|| AC型、パルスAC型、DC型、パルスDC型の特徴
  a) AC型・パルスAC型
  b) DC型・パルスDC型
      c) 高周波AC型
|| 最新のパルスDCテクノロジー
|| エアフリー除電技術を工場の低炭素化に活かす

|| 静電気対策の新たな視点(非接触搬送)
|| 静電気が 不良や歩留まり低減の原因になっている
  a) 静電気による汚染
  b) 静電気による引力
  c) 静電気放電
|| 静電気を制御して、生産を効率化させているプロセスもあります
|| 産業用途での静電気除去・除塵について
|| 生産環境での異物の量
|| 除電器・イオナイザの種類と選び方

関連情報

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|| 身近なところで起きている静電気

 

静電気は直接観察することができませんがその効果によって気づくことができる自然現象です。静電気は日常生活の中でも身近なところで発生しています。例えば、脱衣の時パチパチ音がする現象、ラップを巻いていくと静電気でくっついてしまう現象、雨雲からの雷、パソコンの画面にホコリが付着する現象、これらは全て静電気による現象で、電荷のバランスが崩れることにより力が生じたり放電が起きたりするのです。 

 

|| 物質を構成している原子や分子から静電気を考える。


原子は、プラスの電荷を持つ陽子とマイナスの電荷を持つ電子で構成されています。静電気を理解する上で重要なことは、電荷の割合です。

A)電子の数=陽子の数 → 中性
B)電子の数>陽子の数 → マイナスに帯電
C)電子の数<陽子の数 → プラスに帯電

同様に、原子で構成されている物質のキャリアの割合も電荷に影響を及ぼします。マイナスのキャリアが多いと物質はマイナスに帯電します。逆にプラスのキャリアが多いと物質はプラスに帯電します。

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|| 静電気の発生は、接触に起因しています

 

1) 二つの物質が接触していると、それぞれの物質を構成している原子は、接触面で極めて近づくことになります(数ナノメートル)。表面の原子から電子はもう一方の物質へ移動できるようになります。移動方向と強さは物質の物理的性質によります(電子伝達)。


2) もし、二つの物質が離れると、移動した電子は片方の物質に残ることになります。これにより一方の物質に電子が偏り(マイナスに帯電)、もう一方の物質は電子が減少(プラスに帯電)することになります。この現象は、導電性物質でも絶縁体にも起こります。

 

この現象は固体、液体、気体でも同様に生じます。

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|| 物質が静電気を帯びる その他の要因

 

□ 強い電場(静電誘導)
□ 物質の変形・冷却
□ 他の物質との摩擦(摩擦帯電) 

 

|| 静電気の強さ及び極性(プラス/マイナス)に影響を及ぼす要因

 

□ 材質
□ 周辺環境(湿度、温度)
□ 表面特性(粗さ、など)
□ 頻度:接触・剥離を繰り返すプロセスでは部材の静電気が強くなっていきます
□ 剥離の仕方:例えば、部材の剥離速度が速いほど、より強く静電気を帯びます 

 

|| 静電気を測定する方法

 

静電気は電場(電界)を形成します。電場の磁束線は、負から正の向きに流れます。帯電した物質が、電場の領域に侵入すると、その物質には力が働きます。髪を洗ったり、櫛でとかすと髪の毛が逆立つ現象も、この力で説明することが出来ます。

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これは、導体の電子に作用している力で、特別な測定器で測定することが出来ます。これが静電気測定器です(静電気測定器エルフィ Iをみる / 静電気測定器エルフィ IIをみる)。通常、電場の単位 V/m で測定します。静電気測定器は、帯電物と非接触で測定することができ、帯電物の材質に関係なく測定できるので、多くの製造現場で使われている測定器です。静電気を帯びた物体の表面には電界が発生しています。電界の場の強さを、測定可能な量に換算して測定値を V/m で表示します。

 

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|| 放電と静電気除去

 

偏在している電荷は、均衡をとろうとする性質があります。

 

□金属のような導電性物質が帯電している場合、負電荷はアースに接続した電極に流れます。
□気体または液体中の帯電した分子は、帯電した物質の表面に接触することで、不足している電荷を供給する 或いは 電荷を吸収することにつながります。これにより表面の静電気が中和します。
□電荷の中和は、物質内でも起こり得る現象です。例えば、異なる電荷が偏在している物質内で電気抵抗が有限な場合です。

※注意: 金属でも、接地せず絶縁していれば 帯電します 

 

|| 静電気を除去する方法

 

a)自己放電型:

 

針状でアースした導体(イオナイザー)は、帯電した物体の近傍では、周囲の空気中の分子をイオン化することが出来ます。この空気中のイオンは帯電物の表面を中和することができます。針状の電極と帯電した表面の間の電場によりイオンは輸送されます。この主のイオナイザーとして、除電紐・除電ブラシなどがあります。非常に効率的に電位を低減させることができる一方、針状の電極と帯電した物質間の電位差によるコロナ放電現象なので、電位差が小さいと静電気を中和することは出来なくなります。

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b)放射線による除電方法:

 

イオナイザからの放射線(軟X線、α線、紫外線など)が雰囲気ガス中の分子を電離して、プラスイオン・マイナスイオンが生成します。そして、帯電物の静電気の極性と逆の電荷が表面に引き寄せられて、表面の電位を中和する原理になっています。

 

 電離とは、電磁波や放射線によって、原子が電子を放出することです。マイナス電子を放出した原子がプラスイオン、マイナス電子を吸収した原理がマイナスイオンになるので、放射線によってプラスイオン・マイナスイオンが生成されるのです。

 

 放射線による静電気除去は、空気中での除電だけでなく、窒素など不活性ガス雰囲気下での除電や、紫外線タイプの場合、減圧下での除電という独特な用途もあります。この除電方法は、放射性物質の取扱いや安全上の問題のため、特別な用途に限って用いられています。放射線取扱のため所轄官庁への届出、運転中に放射させる放射線を遮へいする設備、ベリリウムウィンドウの取扱・排気方法、X線チューブ等 消耗品の準備など、導入前に設備管理の確認が重要です。 

 

 

c)電圧印加型:

 

針状の電極に高電圧を印加することで強い電場を形成します。この電場は空気中の分子を電離してイオン化し、帯電した表面へ放電されることで静電気を中和する効果があります。空気中の分子をイオン化する力は、帯電物の電荷とは無関係で、自己放電型と比べ、表面の静電気をゼロ近くまで中和することができます。電圧印加型には、交流(AC)除電装置、直流(DC)除電装置、パルスDC除電装置などがあります。

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d)静電気除去液:強い静電気は、静電気除去液(static inhibitor)と呼ばれる溶液で除去することができます。帯電防止剤という呼称もあり、主に水や溶剤で希釈した界面活性剤が使われています。界面活性剤は、親水基と親油基を併せ持つ分子構造をしています。静電気除去液を基材に塗工すると、界面活性剤の親水基が周辺の水分を取り込み表面に薄い導電性の膜を形成し、静電気を防止することができます。

 

界面活性剤を含有した静電気除去液を工場で使用する場合には、工場内の湿度が静電気防止効果に影響を及ぼす要因になります。市場には、界面活性剤を使用しない静電気除去液も存在します。

 

どのような静電気除去液を使用する場合でも、溶液と基材の反応性がないことを確認した上で、適用する必要があります。

 

e)湿度管理:夏場よりも冬場の方が、静電気の問題が起こりやすくなると聞いたことはありませんか?これも工場内の湿度に起因しています。湿度が高いと物質の表面は水分に覆われ、表面の電荷の漏洩率が高くなり静電気は拡散されやすくなると言われています。工場の湿度を管理する事により、静電気対策する施策があります。湿度は単に高ければ良いわけではありません。湿度が高すぎると生産設備を錆させる問題になり、食品工場では過剰な湿気でカビが発生すると重大な問題になります。適切なレンジ内に湿度を保持して湿度管理システムを運用する必要があります。

 

メリットは、工場内の湿度を均質に管理することにより静電気対策につながり歩留まり低減効果がある・乾燥による細菌の繁殖の対策にも効果がある・乾燥対策になるので、作業者の皮膚の保湿により作業環境が向上することが挙げられます。

 

デメリットは、水道水を使うと、配管が錆で腐食したりカルキで詰まる問題がある・純水やイオン水を使うとランニングコストが高くなる・水質管理のため、フィルター・活性炭・カートリッジが消耗品として発生する。除電の即効性は低いので、システムをONにしてから物質の静電気が低下するまである程度時間を要する・システム全体の初期投資が高いことが挙げられます。 

 

|| AC型、パルスAC型、DC型、パルスDC型の特徴

 

電圧印加型除電器は、静電気を積極的に中和する設備として多くの工場に導入されています。大きくは、交流(AC)型と直流(DC)に大別でき、その中でも AC型、パルスAC型、DC型、パルスDC型、ダブルDC型が存在します。それぞれの特徴をまとめておきます。 

 

a) AC型・パルスAC型

 

ACタイプの除電器は、トランスで5kV~8kVの高電圧に変換しています。針状電極の先端で印加電圧によりプラスマイナスイオンが周波数(50または60Hz)に同期して交互に生成します。AC型は、近距離での除電に適しており、帯電物から20mm~50mm離して設置して運用します。無風で近距離除電用途に特化したAC型除電器は、導入コストが低く 多くの製造現場で使用されています。

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放電針で生じたイオンを気流に乗せて、より遠くまで輸送する方法があります。そのため、AC型除電器にファンを搭載させたり、またパルスAC型除電バーの放電電極からクリーンエア放射口を搭載したモデルが市場に存在します。AC型・パルスAC型は、いづれも有効除電エリアを広くするためには、気流やクリーンエアが必ず必要になります。これは、下記の直流(DC)静電気除去装置との大きな違いです。

 

気流でイオンを輸送する利点は、イオンを遠くまで輸送できることで、成型品のような表面が凸凹した立体物を除電する用途にも活用できる可能性が広がります。クリーンエアまたは窒素ガス・アルゴンガスを供給する除電器の場合は、機種を選定する際には、エア・ガスの消費量と運転圧力を確認して、ランニングコストを試算する必要があります。また、クリーンエアまたは窒素ガスどちらを使用する場合でも、除電器に投入する圧力はシビアに管理する必要があります。用途により、エア圧が強すぎると逆帯電の原因になる可能性があり、逆にエア圧が弱すぎると基材まで十分なイオンを供給できず静電気を中和できていないことが起こりえます。(バー型イオナイザの圧縮空気の電気代 試算方法をみる)

 

b) DC型・パルスDC型

 

DC型は、除電器にプラス用電源とマイナス用電源を内蔵し、それぞれ別々の放電電極からイオンを生成する方式です。プラスを放電する電極と、マイナスを放電する電極が分かれています。DC除電器のメリットは、ACタイプの除電器よりもイオンを遠くまで無風で輸送することが出来ることです。除電器から200mm以上のミドルレンジからロングレンジまでを無風で除電するために運用します。AC除電器では、プラスからマイナスイオンに切り替わるときに、イオンが生成していない休止時間がありますが、パルスDC除電器では、イオンの極性が切り替わるタイミングでも休止時間がありません。

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パルスではないDC型は、放電針で生成したプラスとマイナスのイオンが基材へ到達する途中に再結合(プラスマイナス=ゼロ)する可能性があります。つまり、イオンが基材へ届く前にイオンが消えてしまうので、基材の静電気を除電できないことになります。除電器の設計段階で再結合を考慮する必要があり、また除電器を現場に設置する時に再結合せずにイオンを基材まで輸送できるよう配慮して敷設する必要があります。

 

パルスDCは、プラスイオンとマイナスイオンを交互(パルス)に放射することで再結合を防いでイオンを遠くまで輸送する新しい技術です。これによりファンやクリーンエアを使用せず、イオンを遠くまで輸送することが可能になります。パルスDC除電器の中には、除電器から1500mm先まで無風でイオンを長距離輸送できるモデルも存在します。除電器のユーティリティーは電源操作だけなので、運転や保守管理も簡単になります。また非送風型は、ランニングコストが極めて低いのが特徴です。

 

パルスDC除電器の典型的な用途は、クリーン環境での除電です。クリーンルームは多くの場合、気流は小さなホコリや微粒子を飛散させるので、エアガンのように気流を生成する設備は使用しない現場があります。こうした用途では、現場に導入する除電器を選定する段階で、送風型では無い除電器から候補を絞る見方があり、パルスDCはこのようなマーケットで重要な選択肢となっています。

 

c)高周波AC型

 

上記(a)で述べた低周波型AC除電器が50Hz~60Hzの周波数であるのに対し、高周波ACイオナイザは65kHz~70kHzの周波数帯で運転する除電器です。周波数は、放電針に印加する電圧がプラスとマイナスで切り替えする頻度を表しています。印加電圧を高周波にするということは、プラスイオンとマイナスイオンを放出する切り替え頻度が早くなり、イオンバランスが向上することにつながります。一方、高周波AC型は出力電圧が低いのも特徴です。AC型、DC型が7~8kV、パルスDCは8kV~30kVの印加電圧を適用しているのに対し、高周波AC型は2kV弱の電圧を印加しています。印加電圧の強弱は、イオン供給量を表しています。

 

高周波ACに適した用途は、小さな静電気量にも敏感な基材の除電です。例えば、ICチップ・半導体ウェハ・液晶部品の除電です。これらの用途は、わずかな静電気でも静電気破壊・絶縁破壊が問題になる可能性があるので、イオンバランスの良い高周波AC型が適した用途になります。

 

高周波ACイオナイザ SI プレシジョンをみる

 

 

 

|| 最新のパルスDCテクノロジー 

 

一般的な直流型除電器は、プラスイオンを放射する放電針とマイナスイオンを放射する放電針が分かれており、それぞれ電源から高圧を印加することでイオンを基材へ放射します。しかし、イオンが基材へ到達する前に、プラスイオンとマイナスイオンが互いに引き寄せられることがあります。これを再結合といいます。再結合が起こると、十分なイオンを基材へ輸送することができず、基材の静電気を中和できない原因になります。これが旧来のDC除電器でした。

 

再結合を防止して、かつ均質なイオンバランスでイオンを無風で基材へ輸送するべく開発されたのが、パルスDC方式です。

 

パルスDCは、除電方式が様々存在する中で、新しい部類の除電技術です。ヨーロッパでは、日本よりも工場現場への普及が進んでいるといわれています。パルスDC除電器の製造会社も海外勢が中心です。

 

パルスDC型の静電気除去装置では、針状電極は直流パルスの高電圧で印加されます。出力電圧は7kVから、最大30kVの機種も存在します。AC型・パルスAC型では出力電圧が5~8kVであることを考えると、パルスDCは、イオンの供給量が豊富で、除電能力が強化されていることが分かります。スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)の場合、全ての機種で針状電極への印加電圧は抵抗で抑制しており、電流値を低くコントロールし、運転中に作業者が放電針に触れても人体に危険が及ぶことは無く、高い安全性を有しています。

 

パルスDC型の最大の功績は、ファンやコンプレッサーエアが不要で、イオンを広範囲に無風で輸送する技術を確立したことです。この特徴により様々なメリットが生まれました。クリーン環境の用途では、パルスDC除電器は、気流を生じることがないので、環境中に舞っている浮遊塵を飛散させることがありません。浮遊異物を製品へ付着させずに、高いイオンバランスでイオンを放射して、基材表面の静電気を瞬間除電します。除電能力が高いので、除電の即効性が高いのもパルスDCの特徴の一つです。

 

コンプレッサーフリーなので、ランニングコストの低減につながります。工場では、コンプレッサーによる電気代のウエートは小さくありません。工場の1年間の電気代で、実に20~30%はコンプレッサーの電気代とも言われています。送風型除電器のエアブローもコンプレッサーエアを使用する設備の一つです。パルスDCの登場により、送風型除電器は もはや聖域ではなくなりました。工場内の何十台も設置してある送風型除電バーを、コンプレッサーフリーの最新のパルスDC除電器にリプレースすることで、圧縮空気の電気代を計画的に削減することができます。(バー型イオナイザの圧縮空気の電気代 試算方法をみる) 


|| エアフリーパルスDCイオナイザを工場の低炭素化に活かす

 

前章(AC型、パルスAC型、DC型、パルスDC型の特徴)で、バー型イオナイザが、除電ブローの動力源に圧縮機(コンプレッサー)を使用していることを説明しました。
圧縮機を使用してエアーブローするということは、電気代の負担が大きいことは想像できますが、CO2排出増加につながっているということをご存じでしょうか?

圧縮機の使用は、多大な電力消費につながります。
工場の電気は、電力会社が発電所から作り出しています。発電所には、原子力発電、LNG火力、石炭火力、石油火力、再生可能エネルギー(太陽光発電、水力、風力発電)があります。それぞれの電源を組み合わせて電気を作り、工場に届けています。そして、発電所は、電気を作る過程で二酸化炭素を排出しています。

つまり、エア式バー型イオナイザは、動力源の圧縮機を使用することにより、多大な電力を消費します。それが発電所の二酸化炭素(CO2)排出につながっているのです。

しかし、エア式バータイプイオナイザを、スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)のような、エアフリー除電器に置き換えることができれば、圧縮機(コンプレッサー)の消費電力を低減することができるので、CO2排出削減することができるのではないでしょうか。

スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)のように、エア式バータイプイオナイザと同等、あるいはそれ以上の除電能力を有するエアフリー除電技術は市場に存在しています。工場で、エアフリー除電器のテストをして条件確認を行い、除電能力に問題が無ければ、初期費用・ランニングコストを加味してリプレースを検討することができます。イオナイザという大量のエア漏れを無くしていくことができれば、コンプレッサー(圧縮機)が消費する電力使用量削減につながり、発電所のCO2排出を低減することになるはずです。これが、エアフリーパルスDCイオナイザで工場の低炭素化を推進できる理由です。

このたび、エアーフリー除電技術を活用して、工場のCO2排出量を削減する方法を考えるための新しいサイトを作りました。
日本の工場では、たくさんのエアー式バー型イオナイザが使用されています。エアー式イオナイザをエアーフリー パルスDCイオナイザに置き換えることは、単にコンプレッサーの電気代の節約につながるだけではなく、排出CO2削減に活かすことができる という一歩踏み込んだ視点です。


エアフリー除電技術を工場の低炭素化に活かす!で詳しく説明しています




|| 静電気対策の新たな視点 (非接触搬送)

 

冒頭で、静電気の発生は”接触”に起因していると記述しました。物質を非接触でハンドリングすることにより、静電気の発生を抑制する新たな施策があります。基材を非接触で取り扱うことができれば、接触と剥離による静電気発生源を無くすことができるので、帯電防止につながるという視点です。

非接触非接触超音波 浮上・搬送装置は、ガラス基板・パネル・ウェーハを非接触で浮上搬送する技術です。製造元は、ZS-Handling GmbH (日本総代理店:ケー・ブラッシュ商会)です。搬送部(ソノトロード)と物質間のスクイーズ膜により浮上させる原理なので、非接触での浮上搬送中に周辺にエアブローによる気流を発生させることもないクリーンな搬送技術です。非接触超音波 浮上・搬送装置による非接触搬送は比較的新しい設備ですが、技術は日進月歩で進化しており 半導体業界・電子部品業界では、工場の生産設備として非接触超音波 浮上・搬送装置の導入が始まっております。日本では、まだ普及の初期の段階ですが、海外ではヨーロッパ勢、アジアでは韓国勢が設備投資に積極的です。超音波による非接触搬送技術は、すでに生産現場に適用できる再現性・安定性に到達しています。非接触搬送技術の運用ノウハウを製造現場に取り込むことにより、接触に起因する静電気の防止・接触による製品への異物転写の防止・エアブローによる異物付着防止・破損しやすい製品や傷つきやすい製品を安全に搬送するなど、様々な利点があります。

 

搬送部(ソノトロード)は、平滑に制作したり、曲面状に制作することもできます。曲面状のソノトロードは、ロールtoロールプロセスで非接触ガイドロールという応用があります。フィルムや箔がロールとの間で発生する剥離帯電を回避するほか、異物の転写を防止したり、製品への傷を防ぐメリットもあります。

超音波非接触浮上搬送装置の用途:

電池用電極箔を超音波非接触チャック
電池用金属電極を非接触浮上・搬送
非接触超音波浮上搬送を検査工程へ導入
半導体ウェーハを超音波非接触チャック
非接触ガイドロールで不良対策・静電気対策
小さなレンズを超音波非接触チャック
ICチップ・積層チップを超音波非接触チャック
基板ガラスを非接触ハンドリング
フラットパネル(FPD)の非接触浮上搬送
非接触超音波浮上コンベヤ
         

 

 

|| 静電気が 不良や歩留まり低減の原因になっている

 

 

a) 静電気による汚染:

 

帯電したゴミ・ホコリ・ダスト・塵埃・製造現場で発塵した微粒子は、反対の極性の電荷や中性の表面に引き寄せられ、付着する原因になります。これにより、後工程で部材の品質を損なう原因となる他、ダウンタイム増加・生産停止・不良率増加等の原因につながる恐れがあります。

 

例1) 樹脂成形部品を組立(アッセンブリ)する前に、クリーンブース内での立ち作業で清掃する工程。ブース内にイオナイザーを設置して、エアーガンで清掃作業することがあります。エアーガンで清掃しても効果が分かりにくく、逆に部材の静電気により浮遊塵埃・樹脂カス・ホコリ・バリなどを再付着させてしまう。

プラスチック部品の付着異物対策をみる)


例2) 塗装工程で、樹脂部品を塗装する前にエアーガンで人手で清掃している。室内は、外部からの汚染物質が進入するのを防ぐために陽圧にしているが、エアガンで吹き飛ばしたパーティクルは静電気を帯びた樹脂部品に再付着する可能性は残ります。部品に異物が付着したまま塗装すると、重大な塗装不良(ブツ・ケバ)の原因になります。これが、歩留まり低減や塗料を無駄に消費することにつながっている。

塗装ラインでの付着異物対策をみる

スプレー塗装工程での異物対策をみる)


例3) 2種類の樹脂製品(フィルムとシート、箔と樹脂製品など)をラミネートする工程では、貼り合わせる面に異物が付着していると、貼り合わせ後に外観不良・密着不良の原因になります。

フィルムとシートの貼り合わせ前に除電・除塵対策をみる)

 

例4) フィルム製造現場では、ロールトゥロールで走行しているフィルムは、ガイドロールとの接触・剥離を繰り返して走行することにより、静電気を強く帯びています。環境を漂っている粒子・ホコリ・ゴミを静電気で引き寄せて、表面に付着する原因になります。異物を付着させたまま巻き取ってしまうと、次工程または納品先でクレームにつながる恐れがあります。

封止用フィルム製造工程で付着異物対策をみる)

スリットカスを除去する3つの方法|切粉の問題はこれで解決!をみる)

包装用フィルムの除電・除塵対策をみる)

非接触ガイドロールで不良対策・静電気対策をみる)

フィルム巻き出し工程で静電気対策をみる)

フィルム巻き出し工程で静電気対策をみる)

 

例5) トレーの表面には、表面の静電気により工場ダスト、紙粉、体毛、異物、パーティクルが付着することがあります。トレーは部品を入れるための容器です。トレーに異物が付着すると、トレーに部品を積載させた時に転写して部品に付着する原因となり、後工程で様々な問題を引き起こし、歩留まりの低下や客先からのクレームの原因になります。

最新の除塵装置でトレーをドライ洗浄!をみる)

樹脂成形品・トレーを非接触ドライクリーニング!タイフンクリーンをみる)

 

例6) グラビア印刷機は、樹脂フィルムの製造・加工工場で主に使用されています。工場に印刷工程を設けて、ロールに巻いたフィルムを巻き出して、ロールtoロールプロセスで走行しているフィルムに印刷します。版銅はロール状のシリンダで、インク溜めからインキはシリンダに移り、ドクターナイフで余分なインキを除去して、インクをフィルムに転写させていくことで描画します。印刷不良には、ドクタースジやフィルムの静電気によるインキ飛び、ホコリ・塵埃が付着したフィルム面に印刷することによる印刷不良が起こります。

最新の除塵装置で印刷不良対策!をみる)

 

例7) スリット加工の工程では、ガイドロール部とウェブの接触により、剥離帯電が起こり、ウェブは静電気を帯びていきます。カッター部でウェブは長さ方向に切断されます。スリット時にスリットカスという呼称のパーティクルが発塵することがあります。ウェブが帯電していると、スリットカスは静電気の力でウェブの表裏や端面に付着していきます。静電気やスリットカスは、後工程や納品先の現場で問題を引き起こす原因となるので、除電対策を検討する必要があります。

スリットカスを除去する3つの方法|切粉の問題はこれで解決!をみる)

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写真:静電気を帯びた樹脂シートに付着したパーティクル

 

例8) リチウムイオン二次電池の電極材製造工程では、金属系異物の付着が問題になることがあります。正極材は、アルミ箔の上にペースト状の電極材料(活物質溶液)を塗工、負極材は、銅箔の上に、電極材料(活物質溶液)を塗工して作られています。ロールtoロールプロセスで、工程間で発塵した金属異物(アルミ系・SUS系・鉄系)が浮遊して、電極材に付着することがあります。電極材のように基材が金属、浮遊異物が金属というケースでも、静電誘導により表面に電荷が移動して、静電気の力で異物が付着する問題が生じるのです。

リチウムイオン二次電池製造工程での異物対策をみる)  


例9) スクリーン印刷では、被印刷物が静電気を帯びていると、静電気自体が問題を引き起こす原因になります。

〇 静電気を帯びた樹脂シートに印刷すると、インクが飛び散る
〇 インクが版に飛び散ってしまう
〇 エアブロー式のイオナイザを使うとインクが乾いて印刷不良の原因になる。
〇 除電ブロー式のイオナイザを使うと樹脂シートが動いてしまう。 

このようなケースでは、除電ブローしないパルスDCイオナイザを設置すると、印刷不良対策に絶大な効果を発揮します。

スクリーン印刷前に印刷不良対策をみる)


例10) 組立工程では、大量のOリングを用意して、製品に組み込んでいくプロセスがあります。

小さなOリングは、振動コンベヤで搬送されるときに、互いに擦れあい、静電気を帯びています。静電気は、生産環境中に浮遊しているゴミやホコリを引き寄せて表面に付着させていきます。Oリングに、ホコリ・ゴミ・切削屑・金属粉などが付着していると、製品に取り付けて組み込んだあとにトラブルにつながる恐れがあります。

例えば、Oリングに小さなホコリが付着したまま、配管接続部に取り付けてシールすると、小さな隙間がリーク源になり、シール不良につながる原因になります。

このようなトラブルを防ぐために、組立工程・アッセンブリ工程で使用する個々のOリングはきれいに清掃して、付着異物を除去する必要があります。

大量のOリングをまとめてきれいにするクリーナーみる)

 


 

b) 静電気による引力

 

静電気を帯びた物質同士はお互いに引き寄せ合ったり、機械部品にくっついたりすることで問題を起すことがあります。

 

例1)

射出成形機でプラスチック部品を金型で成形する現場では、金型を開いて部品を取り出すプロセスに静電気によるトラブルの原因が潜んでいます。開いた金型から部品を吸着パッドで取り出すときに部品が静電気で突き出しピンや金型内に貼り付いて取れ出せない問題が生じることがあります。これは、成形不良の増加や、警報で成形機が停止した場合にはメンテナンス中のダウンタイム増加につながります。

射出成型機の金型の中を除電をみる)

プラスチック部品の成形工程で静電気対策をみる)


例2)樹脂シートを1枚1枚載せていく工程で、シートを保持する治具やチャックに静電気でシートがくっついて離れなくなることがあり、ライン停止の原因になります。

重ねた樹脂シートを除電して一枚づつ剥離をみる)


例3)ペレットや粉をホースで配送していると、材料やホースが静電気を帯び、配管を詰まらせる原因になります。 

搬送パイプ専用イオナイザ EI RIF をみる)
除電輪状電極 EI RE をみる)

 

例4)LTCC用グリーンシートの製造工程では、スラリーというペースト状のグリーンシートの原料を、PETフィルム上にブレードで薄く敷き伸ばして成型します。成型したグリーンシートをフィルムから剥離する工程では、静電気によりシートとフィルムがくっついて、剥離性を悪化させ、歩留まり低下の原因になります。
スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)をみる)

例5)パーツフィーダーで部品を搬送するプロセスでは、ボウルの中の振動しているトラフの上で部品同士が擦れ合うと、部品は静電気を帯びていきます。小さな部品が静電気を帯びると、くっついたり塊になることがあり、詰まりやチョコ停の原因になります。パーツフィーダーの歩留まり低下につながります。 (パーツフィーダーの静電気除去 | 詰まり・チョコ停対策を徹底検証!をみる)

 

 

 

c) 静電気放電

 

人体を通して放電:

人体を通して静電気放電が生じても、ほとんどの場合 人体に危険が及ぶことはありませんが、身体的な不快感や、放電のショックで身体を機械にぶつける等の事故につながる恐れがあります。

 

例1)フィルム巻取り工程では、静電気を帯びたフィルムをコイラーで巻き取っていくことで、ロールは静電気を蓄積して強く帯電します。フィルムの材質により、冬場は静電気が数十kVに達することもあります。ロールを取付け・取外しを行う作業者にとって、「バチッ!」とくる放電は不快です。作業環境の悪化につながります。
フィルム巻取り工程で静電気対策をみる)

 

例2)カーシートやマットレスには、ウレタン材料が使われています。用途に応じて、高反発・低反発なスポンジを加工・制作する作業現場があります。スポンジのような発泡製品の加工現場では、弾力性が高い基材を切断するために、スライサーという特別な加工機でスライスします。スライスする時に砥石と発泡体の間で静電気が発生します。スライスした後、作業者が手作業で積み重ねていく工程では、「バチッ!」と静電気放電を体感します。作業環境の悪化させる原因になります。
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危険区域での放電:

揮発性有機溶媒や爆発性粉塵を取り扱う区域では、静電気放電は必ず避ける必要があります。

 

例1)自動車部品製造工場で、塗装工程のブース内では、有機溶媒が揮発して空気中に拡散していることがあります。このようなブース内で、自己放電型または電圧印加型の除電器を設置すると、スパークして印加する可能性があり、重大な事故につながる恐れがあります。

 

例2)フィルム印刷工場で、グラビア印刷機の周辺は、有機溶媒が揮発して空気中に拡散していることがあります。印刷機周辺には自己放電型または電圧印加型の除電器を設置すると、スパークして印加する可能性があり、重大な事故につながる恐れがあります。

 

静電気放電(ESD):

半導体デバイスの生産工程では微弱な静電気放電でも回路を破壊することがあります。 

 

 

|| 静電気を制御して、生産を効率化させているプロセスもあります

 

〇 基材表面に、反対の極性の電荷を意図的に帯電させて 一時的に接着させる

 

例1) 粉体静電塗装

粉体静電塗装では、帯電した塗料をアースした非塗装物に噴霧することで塗装する技術。塗料粒子をマイナスに帯電させて噴霧する場合、アースした非塗装物は静電誘導により表面に逆の極性の電荷(プラス)が表面に誘導されます。これにより非塗装物表面のプラスと塗料粒子のマイナスが引き合い塗着することが出来ます。

 

例2)ロールトゥロールプロセスでウェブ(フィルム・紙)の位置決め

 

□ ワインダーで巻き取る直前の金属性ロール上で、ウェブの端面を帯電装置で帯電させることで、ウェブをガイド上で静電気で密着させます。これにより走行しているウェブが横方向へずれるのを防ぎ、きれいに巻き取ることが出来ます。

 

□ キャストフィルムの製造ラインでは、冷却ロール状でフィルムが巻き込むのを防ぐために、フィルムの端面を帯電装置で帯電させて密着させて巻き込みを防止します。

 

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例3)タルク塗布装置


電線製造工程では、タルク(石灰)を線に塗布するプロセスがあります。この機械をタルクマシン・タルク塗布装置といいます。タルクは、鉱石を細かく粉砕した無機粉末です。タルクを電線表面に塗布して、その後工程で、タルクの上からインシュレーション(絶縁層)を被覆します。タルクの役割は、剥離性の向上です。電線を使用する現場では、電線の端末加工する時に、不要な絶縁層をはがして使います。タルクが塗布されていることで、電線のインシュレーションをはがしやすくする効果があります。電線製造工程では、タルク塗布装置は、タルクを充填したボックスを線が走行することで、全周にタルクを塗布させていきます。電線全周にきれいに塗布させるためには、ボックスを通過する前に帯電装置を設置して、電線表面に静電気を付与する方法があります。これにより、タルクは静電気を帯びた電線全周にきれいに密着していきます。  

 

 

|| 産業用途での静電気除去・除塵について

 

〇 異物や微粒子による問題

 

工場で発塵するダストは、設備から機械的に発塵する物だけではありません。ダスト・繊維くず・パーティクルは生産環境中に漂っている浮遊塵埃もあれば、作業者から発塵する毛髪・カス、搬送プロセス・包装プロセスで製品に転写する異物もあります。このような付着異物は製品の不良率を上昇させる可能性があり、その分 余分なコスト上昇につながります。製品の清浄度や品質保証に対する強い要求に応えるため、汚染源の調査や分析作業が必要になります。

 

〇 汚染の種類

 

発塵元で分類

 

□ 製造プロセス(充填、切削カス、磨耗屑、など)
□ 設備(磨耗屑など)
□ 添加剤(離型剤、潤滑剤など)
□ 環境(ゴミ、ホコリ、すす、粉など)
□ 人員(毛髪、繊維屑、指紋など)
□ 包装(磨耗屑、繊維屑など)

 

〇 原料で分類

 

□ 有機物・無機物
□ 金属・鉱物・セラミック・プラスチック・天然物質
□ グリス・油

 

〇 集合状態で分類

 

□ 固体
□ 液体
□ 接着物・ペースト

 

〇 化学的・物理的性質で分類

 

□ 力学的性質(磨耗性、滑り性、接着性など)
□ 化学的性質(極性、非極性、有機物/無機物、分子など)
□ 電気的性質(静電気、電荷を帯びる、磁化を帯びる、など)
□ 熱的性質(膨張率、温度安定性、など)
□ 粘性(表面張力、接着力など)
□ 気体の性質、液体の性質(粒子サイズ、接触面など)

 

〇 パーティクルを分類

□ コランダム(酸化アルミの結晶)
□ 金属粒子
□ 非鉄金属粒子
□ 繊維
□ けば

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|| 生産環境での異物の量

 

量の問題として、クレーム;不良率;不良により発生する余分なコストなどがあります。これらは、実際の生産中に明らかになることが多く、原因は生産プロセス中にあるケースもあります。

 

汚染源は多様です:

部材の清浄度が不十分だったり、部材に削りカス・はがれカス・切れ端が付着していることに起因していることもあります。対策として、前洗浄・加工時に洗浄・後洗浄する施策があります。ドクターエシャリッヒは、このような用途に適した装置化された除塵装置を供給しております。

 

〇 落下する粒子

 

粒子径50μm~1mmのパーティクルは、裸眼でみることが出来ると言われています。例えば、重工業の現場での工場ダスト、毛髪、粉、繊維屑などがあり、これらは粗大粒子といいます。50μm~0.1μmのパーティクルは顕微鏡で観察することができます。バクテリア、塗料の顔料成分などがあり、微粒子といいます。粒子のサイズは、集塵機のフィルター選定に重要な要素です。

 

〇 浮遊する粒子

粒子径1μm以下の粒子は、生産環境中で落下せずに浮遊し続けています。気管から肺に進入するので呼吸性粉塵ともいいます。これらの中には、微小なすすや金属カスも含まれています。粒子径0.1μm~10μmの粒子は、捕集できる集塵機用フィルターがあります。

 

〇 最も小さな粒子

粒子径0.1μm以下になると、電子顕微鏡でなければ検出することは出来ません。極めて小さな浮遊微粒子やエアロゾルは、サイズ0.01μm~0.1μmです。捕集するためには、HEPAフィルター・ULPAフィルターを使用します。0.01μm以下の粒子は活性炭フィルターで部分的に捕集することが出来ます。



|| 除電器・イオナイザの種類と選び方

 

製造現場の静電気対策は、大きく5つに分類できます。

A)電圧印加型 除電器
B)自己放電型 除電製品
C)放射線による除電方法
D)静電気除去液
E)湿度管理

(参照:静電気を除去する方法 でも詳しく取り上げています)

その中で、(A)電圧印加型と(B)自己放電型には、次のような静電気対策商品があります。


<電圧印加型>
◆ACイオナイザ
◆パルスACイオナイザ
◆高周波ACイオナイザ
◆パルスDCイオナイザ

<自己放電型>
◆除電紐
◆除電ブラシ

これらを分類して整理した新しいサイトを作りました。

用途に適した静電気対策製品を選定する ヒント にご参照ください。


除電器・イオナイザの種類と選び方|4つのポイントで早わかり!をみる

 

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