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コロナ処理固有の問題点 裏抜けとピンホールの原因と解決策

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コロナ処理固有の問題点 裏抜けとピンホールの原因と解決策

はじめに

コロナ処理はフィルムをはじめとしたコンバーティング業界で広く一般的に使用されており
現在も主力の処理機として活躍しています。

コロナ処理には他の処理方法には無いメリットも多数あるのですが、コロナ処理では
「裏抜け」や「ピンホール」と呼ばれる固有のデメリットもあります。

このブログでは、なぜ「裏抜け」や「ピンホール」が発生してしまうのか、
その対策はどのようにすればよいのかを紹介していきます。

コロナ処理とは

まずコロナ処理とは何かを簡単に説明します。

コロナ処理機は主に高周波発信機・高圧トランス・そしてコロナ処理電極で構成されます。
コロナ放電は、電極とカウンターロールとの間に高圧&高周波を印加することで発生します。

コロナが発生している空間内をフィルムが通過することで表面が改質され
後工程の接着や印刷などに寄与する効果を得ることができます。

弊社ではこのような通常のコロナ処理機を扱っておりません。
ご用命の際は国内のコロナ処理機メーカー様などへお願いいたします。

国産のメーカー様として長年大阪のウエッジ様とお付き合いさせていただいております。

コロナ処理.jpg

 

なぜ裏抜けは発生するのか。裏抜けの原因とは

裏抜けによって予期せぬ副作用が発生することがあります。

例えば、剥離面なのに剥離しにくくなる、一部だけ濡れ性が上がることで
表面状態の違いから後工程で物性を保てなくなる等の現象です。

このようなトラブルはランダムで起こるため、様々なお客様が対策に苦慮されています。

裏抜けの原因とは

裏抜けが発生する主な原因は、フィルムとロールの間に発生する空間です。

この空間にはフィルムが異物を巻き込んだ際に発生するフィルムの凹凸、
フィルムのテンション抜け、ロールの凹み、ロールの汚れなどがあると考えられます。

隙間が発生することで、この空間内でコロナ放電が発生してしまいます。

裏抜け.jpg

裏抜けの対策とは

裏抜けを完璧に防ぐことはできませんが定期的なロール清掃、傷などの状態確認や
フィルムの除塵や除電によるごみの付着防止対策などを継続的に実施する必要があります。

また弊社が扱うSTTs社製のカウンターレスコロナ処理機を導入することも選択肢の一つです。

なぜピンホールは発生するのか。ピンホールの原因とは

ピンホールの発生は製品不良となり製造コストアップ、不良フィルムの廃棄など経営と環境
両面にマイナスの影響を与えてしまいます。

小さい穴の場合、見逃されるリスクがあり、そのまま出荷されてしまうと回収費用など
多くのコストと手間がかかってしまいます。

ピンホールの原因とは

ピンホールが発生する主な理由は、フィルムに付着した異物、特に導電性の異物に印加されることです。
この異物はフィルム搬送中に付着したものや、生産時に巻き込まれていた異物などが考えられます。

または製造工程でのフィルム不良、そしてカウンターロールの絶縁不良も考えられます。
カウンターロールの不具合の場合、頻繁にピンホールが発生するため、原因の特定が容易です。

ピンホール.jpg

ピンホールの対策とは

異物をなくすことでピンホールのリスクを低減できるので、まずはフィルムの表面に付着した
異物除去対策が重要です。

コロナ処理の直前に除塵対策を施す事で、異物がコロナ放電空間へ異物が運ばれるのが防止できます。
弊社ではフィルムに対応した除塵装置を取り扱っております。

フィルムをきれいに保ち不具合を未然に防ごう

裏抜けやピンホール対策として、フィルムの異物対策を実施することで製品の品質を保ち
歩留まり率を向上させることができます。

そのための対策設備として、弊社ではドイツのKIST+ESCHERICH GmbH(キストエシャリッヒ社)の
除塵&除電装置を取り扱っております。

非接触ウェブクリーナー スタティックエア

スタティックエアは、フィルムに静電気によって付着した異物を除去するために開発された設備です。

クリーナー本体内に除電バー・除塵用の圧縮空気吹き出しノズル・除電され浮き上がった異物を集塵する
吸引スリットの3つが備わっています。

除電と除塵を同時に行うことで、よりスマートに異物対策を行えます。

スタティックエアの詳しい情報はこちら

接触式ウェブクリーナー ロータークリーン

ロータークリーンは、フィルムに付着した異物をより確実に捕集するため、回転ブラシを内蔵しています。
圧縮空気だけでは取り切れない異物を、ブラシによる物理的な力で確実に除塵できます。

ロータークリーンの詳しい情報はこちら


裏抜けとピンホールを発生させないコロナ処理機?!

より根本的な解決策として、裏抜けとピンホールを発生させないコロナ処理機を利用する考えもあります。
弊社では一般的なコロナ処理機の取り扱いはありませんが、ユニークな構造のコロナ処理機を扱っています。 

STTs社製のカウンターレスコロナ処理機(I.D.E.)は、通常のコロナ処理機と電極が異なるため
裏抜けやピンホールを発生させずにコロナ処理を行うことができます。

I.D.Eの原理と特徴

通常のコロナ処理は陽極(電極)、そして誘電体を介して陰極側へとコロナ放電を発生させます。

STTs社が開発したI.D.E電極は、陽極と陰極が同じ面にあるため、フィルムを間に挟む必要がありません。
そのため裏抜けやピンホール発生のリスクを抑えてコロナ処理を行うことができます。

ide

I.D.E

I.D.Eでは、陽極と陰極が一つの電極ユニット内部に設置されています。
そのためフィルムの厚みに依存することなく、コロナ放電処理が可能です。

例えば、数ミリから数センチの厚みの発泡製品や射出製品の表面をコロナ処理可能です。
※通常のコロナ処理では一般的にフィルムと呼ばれる厚さまでしか処理が行えません。

STTsのブログはこちら
ide-corona.jpg

最後に

製品の品質を維持しながらの問題解決に、弊社が扱う設備がお役に立つ可能性があります。
各種デモ機もございますので、お気軽にお声がけください。

異物対策のブログはこちら
コロナ処理のブログはこちら
表面処理とは?表面処理についての説明はこちら


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