
超音波ベアリングの技術を、紙・箔・極薄フレキシブルガラスのようなウェブをロールtoロールプロセスでガイドする応用があります。ガイドしているとき、ウェブは超音波ベアリングの曲面状のソノトロード(高周波振動することにより周囲のガスを圧縮拡散するパーツです)で非接触でガイドされます。非接触のハンドリングなので、ガイドは無回転で、ソノトロードがウェブをガイドしている時に駆動部品はありません。駆動による発塵源が無いガイドです。繊細で傷つきやすいウェブを非接触でハンドリングすることができ、歩留まり向上につながり、また ウェブと接触しないので、ロールtoロールプロセスの清浄度が向上し、汚染物質がガイドからウェブへ転写する原因を無くすことにつながります。
ソノトロード(高周波振動することにより周囲のガスを圧縮拡散するパーツです)は、超音波による周期的な圧縮と圧縮解除を高周波数で行うことで、ウェブとソノトロードの間に薄い空気の膜を形成し、ウェブを非接触で浮上させることが出来ます。非接触で保持されたウェブは振動することなく無摩擦で非常に安定した状態で浮上します。力のプロファイルは、エアブローによるガイドロールに似ていますが、超音波ベアリングの技術が画期的なのはコンプレッサーが不要で、エアブローが必要ない事です。超音波ベアリングの技術は、ソノトロードとワークピースの間の空気または雰囲気ガスだけを用いて、ウェブを非接触ハンドリングする力を生成しているのです。超音波ベアリングは、あらゆる大気中の搬送プロセスで運用できる技術です。
写真1
ガイド対象となる製品例:超極薄フレキシブルガラス
厚さ:50~200μm
写真2
ガイド対象となる製品例:有機フレキシブル基板
厚さ:0,05~0,3mm
ラミネート:コーティングまたは印刷描画により5層まで
世代:G2~G5
超音波ベアリングによる非接触ガイドで様々なメリットがあります。
〇歩留まり向上
超音波ベアリングは、ウェブと機械的に接触しません。
(表面が傷つきやすいウェブのガイド。表面に繊細なコーティングを塗工したウェブのガイド。)
〇剥離帯電を防止
静電気の発生は、”接触”に起因しています。ロールtoロールでウェブが走行するとき、ウェブとロールが接触・剥離を繰り返すことで静電気を帯びていきます。ガイドロールがウェブを非接触で搬送することにより、剥離帯電を防止します。
〇コンプレッサーが不要
超音波ベアリングには、コンプレッサーが不要です。圧縮エアのミスト除去・油分除去のフィルター管理の手間がなくなります
〇低ランニングコスト
コンプレッサーが不要になることで、電気代が大きく削減します。下記に小さな部品ハンドリング用の装置のユーティリティーを記載していますが、この場合超音波ベアリングの消費電力はわずか20W(24VDC)です。
〇クリーンな環境に最適
エアブローが不要な非接触ハンドリング技術なので、クリーン環境で周囲を乱気流で乱すことがありません。
動画をクリックしてYoutubeでご視聴頂けます。動画では、テンションを張っていない箔をガイドしています。超音波ベアリングOFFの時とONの時での違いを映しています。
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