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ライン改造工事不要!帯電装置でフィルムの蛇行防止!

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ライン改造工事不要!帯電装置でフィルムの蛇行防止!

蛇行・スリップで不良が発生する工程


〇巻き取り工程

ロールtoロールで、走行しているフィルムや紙が左右に蛇行・スリップすると、ロールに巻き取っていく時に、巻きズレの原因になります。ロールの端面が不揃いになるので後工程や納品先でクリームの原因につながります。


〇スリット工程

スリッターでフィルムや紙を所定の幅に裁断するのがスリット加工です。刃でスリットした後、ロールに巻き取ります。蛇行・スリップすると、巻きズレの問題が発生します。ロールが不良品になることがあります。


〇シート搬送工程

巻き出したフィルムや紙を裁断して枚葉のシートにしていく工程です。巻き出したフィルムが蛇行・スリップすると裁断ミスの原因になります。


〇二軸延伸

ダイから押し出されたフィルムは、キャスティング装置内の冷却ロールと水槽を走行しながら固化されて、延伸機へ供給されます。冷却ロール上でフィルムが蛇行すると、延伸機へフィルムが供給できない問題が発生します。


〇包装・製袋

食品用フィルムの製造工程の一つに製袋工程があります。ピロー包装機で、巻きだしたフィルムをピロー(枕)状にして食品を包装する機械です。巻きだしたOPPフィルムがロール上で蛇行すると、シール位置ズレ、裁断位置ズレの原因になります。


〇オフセット輪転機

給紙装置が被印刷物(紙・フィルム)を巻きだして、印刷ユニット→乾燥→折機、の工程を経て、新聞や雑誌を作るのがオフセット輪転機です。速度が速いので、巻きだされたフィルムや紙は蛇行しやすく、蛇行すると、印刷不良・裁断不良の原因になります。

 

帯電装置とは?

 

帯電装置は、基材に静電気を帯びさせて、基材表面の電位を上昇させる装置です。帯電装置は、放電針に高電圧を印加することで、空気中の分子をイオン化します。

基材をプラスに帯電させる場合は、プラスイオンを放射、マイナスに帯電させる場合はマイナスイオンを放射することで、静電気を帯びさせることができます。

 

帯電装置で蛇行・スリップを防止する原理

 
帯電装置には、ロールtoロールで、ロール上を走行するウェブを静電気で定着させる用途があります。

走行している紙やフィルムと、スチール製ロールを、静電気で定着させる原理です。

これにより、ロール上での蛇行やスリップを防止することができます。


写真1:帯電バーで蛇行やスリップを防止する原理

chargemechanism.png


帯電バーはマイナスイオンをロール上のフィルムへ放射します。スチール製ロールはアースを取り、カウンター電極として機能します。既存のスチール製ロールにアースをとればOKです。走行しているフィルムはマイナスの静電気を帯び、スチール製ロールはプラスに帯電します。

スチール製ロールが静電気を帯びるのは、静電誘導の原理です。フィルムがマイナスの静電気を帯びることで、アースからプラスの電荷がスチール製ロールへ誘導させるのです。

これにより、フィルムや紙はマイナスに帯電して、スチール製ロールはプラスに帯電して、互いに静電気でくっつきます。これがフィルム蛇行防止の原理です。



 

帯電バーの設置個所

 

帯電バーの設置個所は、既存のスチール製ロールの上です。フィルムの両端(エッジポジション)に帯電バーGB3を1台づつ設置します。帯電バーGB3とロールの距離は約20㎜です。

スチール製ロールはアースします。


写真2:帯電バーの設置個所(フィルムの両端に設置)
edgepin2.png


写真3:走行中のフィルム・紙の端面を静電気で定着
chargerollfilm.png


写真4:帯電バーの設置個所
chargebarposition.png


写真4のように、巻き取り直前のスチール製ロールの上に帯電バーGB3を設置すれば、巻きズレを防止することができます。



帯電装置の機器構成

 
帯電バー:GB3(150mm幅) x 2台

ジェネレータ:GU3N(マイナスイオン生成用ジェネレータ|0~-30kVまで)



写真5:帯電バーGB3
gb3.png
gb3dimensionJP.png



写真6:ジェネレータ:GU3N

gu3N.png
gn3Ndimension.png



帯電装置のメリット

 

帯電装置を導入するために、既存のラインの改造工事は不要です。既存のスチール製ロールの上に、取付していただくだけです。ユーティリティーは電源のみ。

ウェブの蛇行が問題になっている工程へ、最も手間をかけずに導入できる蛇行対策です。


帯電装置のメリット


〇ラインの改造工事不要

〇既存のラインへ後付けが簡単です。

〇安価な初期費用

〇低ランニングコスト

〇定期メンテナンスは、放電針の清掃のみ。保守管理が簡単


ブラシロールスプレッダとの比較

 

            帯電装置        ブラシロール
スプレッダー
 
                    
ラインの改造工事       不要        
                   
設置の手間              
                   
初期費用              
                   
メンテナンス
の手間
             
                   
ウェブのダメージ              
                   
毛の脱落リスク              
                   





ゴムロールスプレッダとの比較

 

            帯電装置        ゴムロール
スプレッダー
 
                    
ラインの改造工事       不要        
                   
設置の手間              
                   
初期費用              
                   
メンテナンス
の手間
             
                   
ウェブのダメージ              
                   


帯電装置のラインナップ

 

キストエシャリッヒ社は、用途に合わせて様々な形状の帯電装置を取り揃えています。

chargelineup.png





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