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除電ブラシで低予算で静電気対策!除電の原理・選び方・使い方をまとめました

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除電ブラシで低予算で静電気対策!除電の原理・選び方・使い方をまとめました
 

目次


除電ブラシDB35が静電気を除去する原理

除電ブラシDB35の設置方法と使い方

除電ブラシDB35の種類・選び方

除電ブラシDB35のメリット

除電ブラシ vs 除電ひも 何が違うの?

除電ブラシの主な用途

関連情報





除電ブラシDB35が静電気を除去する原理



除電ブラシDB35は、カーボンファイバーやステンレスの極細繊維をつけた工業用途の除電ブラシです。除電ブラシを静電気を帯びた基材へ近づけることで、静電気を除去することが出来ます。

どのようなメカニズムで静電気を除去しているのでしょうか?



<微弱なコロナ放電が静電気を除去している>

静電気を帯びた基材へ、アース接続した除電ブラシを近づけると、帯電物とブラシの間には、電位差が生じ、電界ができます。

電界は、ブラシの先端のように尖った部位に集中しやすく、ブラシ先端では、空気中の自由電子(マイナス)は、電界に沿って速度を伴い移動します。

帯電物とブラシの電位差が大きいほど、自由電子はより速い速度で空気中の分子に衝突します。そして、衝突のエネルギーが高くなると、空気中の分子をイオン化することが出来ます。

このようにして、ブラシの極細繊維の先端では、空気中の分子がイオン化します。そして、帯電物の極性を打ち消すように、逆極性のイオンが帯電物に引き寄せられて電荷の偏りを中和します。

除電ブラシと帯電物の間には、微弱なコロナ放電が発生して、表面の静電気を除去しているのです。

db35principle.png








除電ブラシDB35の設置方法と使い方

 

①取付穴があります。フレームなどへ保持するのに使用します。


dbs35-0300installation.png


dbc35-1100installation.png


<除電ブラシの取付寸法>

db35dimension.png


② 設置

写真:アルミフレームに除電ブラシを設置
   必ずアースに接続します

DB35installation.png



③クリアランス

除電ブラシは、必ずしも基材と接触させる必要はありません。表面にダメージを与えたくない基材(フィルム・紙・樹脂シート・ガラス等)は、非接触で設置しても大丈夫です。推奨距離は1mm~3mmです。距離が近いほど、より静電気を中和しやすくなります。

db35layout.png

これで準備完了です。電源・エアー等の接続は不要です。




除電ブラシDB35の種類・選び方



除電ブラシDB35には、カーボンブラシのDBC35とステンレスブラシのDBS35の2種類あります。


①DBC35(カーボファイバーの除電ブラシ)

カーボンファイバーの除電ブラシは、プラスチック(樹脂)・紙・ガラス・セラミック等、様々な材質・用途に汎用的に適用することができます。

ステンレス繊維の除電ブラシよりも安価です。

DBC35.png

◆DBC35の特徴

 -処理幅 10-3,000mm
 -制作幅のステップサイズ 10mm単位で制作できます
 -毛の長さ 15mm
 -繊維径 0,007mm
 -繊維の材質 カーボン
 -インピーダンス(20℃) 1,5 x 10-3Ωm


②DBS35(ステンレス繊維の除電ブラシ)

ステンレス繊維の除電ブラシは、カーボンファイバーよりも値段が若干高いですが、カーボンファイバーと比べ 耐久性が高く長寿命です。

ステンレス繊維の除電ブラシは、食品・半導体等、毛の材質がステンレスでなければならない用途にも適しています。

DBS35.png

◆DBS35(ステンレス繊維の除電ブラシ)

 -処理幅 10-3,000mm
 -制作幅のステップサイズ 10mm単位で制作できます
 -毛の長さ 15mm
 -繊維径 0,012mm
 -繊維の材質 ステンレススチール
 -インピーダンス(20℃) 15Ωm




除電ブラシDB35のメリット

 


◆除電器やイオナイザに比べ、安い!

◆電源・エアー接続は不要!ランニングコストゼロ!

◆排出CO2ゼロ!カーボンニュートラルにマイナスに作用することはありません。

◆VOC(揮発性有機溶媒)の排出無し!低環境負荷です。

◆寸法が小さいので狭いスペースに設置を検討出来ます!

◆既存のラインへ改造工事無しで後付けを検討できます!

◆除電ひも・除電テープのように、たるんで 巻き込まれるリスクが極めて低い!
⇒事故防止・製造ラインのダウンタイム削減につながります。

◆設置・取付が簡単!





除電ブラシ vs 除電ひも 何が違うの?


除電ブラシも除電紐も、静電気を除去する原理は同じです。どちらも極細の繊維を静電気を帯びた基材に近づけて、微弱なコロナ放電で除電します。

製造ラインへ設置する段階で違いがあります。

除電ひもは、たるみやすい問題があります。例えば、ロールtoロールで走行するフィルム生産工程へ設置するという場合。ひもをフィルムの幅方向へ張力をかけて固定します。コロナ放電で効果的に除電するためには、ひもをフィルムへ近づける必要があります。近づけすぎると、ひもが走行しているフィルムと接触したときに巻き込まれてしまう可能性があります。

しかし、巻き込み事故を回避するため、距離を離して設置すると 今度はコロナ放電による静電気除去効果が低くなる、ということになります。

それに対し、除電ブラシの場合、繊維がホルダーにしっかり固定されているため、たるんで走行中のフィルムに巻き込まれる可能性が極めて低くなります。

除電ブラシは、巻き込み事故のリスクを低減し、かつ コロナ放電による除電効果を生かすため、フィルムへ近づけて設置しても高い安定性があります。


有効幅が広い 紙・フィルム・箔・樹脂シート・ガラスへの設置の場合は、設置が安定している除電ブラシにメリットがあります。

除電ブラシは、「たるみ」による巻き込み事故防止・製造ラインのダウンタイム削減につながり、近距離に安定して設置することで除電効果を維持して製造ラインの運転ができます。






除電ブラシの主な用途

 

◆ロールtoロール製造工程(フィルム・紙・樹脂シート・ガラス繊維・生地)

◆フラットな部材の搬送工程(ガラス・パネル・カード・基板)

◆樹脂成型品




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