
目次
動画:エアーブローで除去できない微細な粉塵をCO2スノージェット洗浄装置でドライ洗浄
付着異物をドライ洗浄する しくみ
エアーブローノズル・集塵との違い
CO2スノージェット洗浄装置のメリット
関 連 情 報
動画:エアーブローで除去できない微細な粉塵をCO2スノージェット洗浄装置でドライ洗浄
基板に、白い粉塵が付着しています。エアーブローだけでブローしても粉塵を除去できませんが、CO2スノージェット洗浄装置のノズルから、CO2スノーを放射すると粉塵がきれいに除去されます。この動画をYoutubeでご視聴いただく事が出来ます。
動画:エアーブローで除去できない微細な粉塵をCO2スノージェット洗浄装置でドライ洗浄
動画を解説:
基板上に一面に白い粉塵が付着しています。粒子径が小さな微細な粉塵は、エア―ブローだけでは きれいに除去することが出来ません。
しかし、ノズルから二酸化炭素の結晶(CO2スノー)+エアーブローの組み合わせでブローすると、粉塵をきれいに除塵できます。
ノズルから噴霧している白いメディアは、微小な氷の結晶(CO2スノー)です。ボンベの液化炭酸ガスを、CO2スノージェット洗浄装置へ供給して、ノズルから噴霧することでスノーを生成します。
ノズルをロボットで基板上でスキャンして、基板に付着していた白い粉塵が みるみる除去されています。
そして、洗浄後の基板上は、水滴が無くドライです。二酸化炭素は常温常圧では、最終形態は気体なので、CO2が液体で基板に残ることは無いのです。
ノズル速度が速く、早いタクトタイムの用途にも適用できる技術です。
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付着異物をドライ洗浄する しくみ
基板に付着した粒子径が小さい微細な異物は、ドライで洗浄しようにも、エアーブローノズル・集塵システムでは、なかなか除去するのが難しいものです。
CO2スノージェット洗浄装置は、どのような原理でドライ洗浄しているのでしょうか?
<クアトロクリーンテクノロジー>
CO2スノージェット洗浄装置には、4つの洗浄効果があります。
①衝撃洗浄
液体のCO2をノズルまで液送して、弁を開いてノズルから放射します。急激な圧力・温度低下に伴い、二酸化炭素は微小な結晶になります。小さな結晶が、表面の汚染異物・コンタミに対して、衝撃を与えることができます。このマイクロブラスト効果により、表面から除去する効果があります。
このような物理的な力で除塵する効果は、エアーブローにはありません。これは、エアーブロー・集塵のような気流のみの除塵対策との大きな違いです。
結晶が衝突する物理的な力は、粒子径がミクロンオーダー~サブミクロンオーダーの微細な無機系の付着異物(金属粉・すす等)に対しても効果があります。
そして、氷の結晶(スノー)は、基板に衝突して、直ちに昇華(個体から気体に相転移すること)するので、ダメージレスで洗浄することができます。
表面が繊細な、ガラス基板やセンサー・電子部品の接点に対してもダメージを極めて低くして洗浄することが出来ます。
②急速冷却
ノズルから噴霧したCO2スノーは、-78.5°まで温度低下します。そして、異物に衝突して熱を奪います。冷却効果により異物を固形化して(脆化)、母材の基板と張力の違いが生じて除去しやすくなります。
③爆発洗浄
微小な二酸化炭素の結晶は、個体から気体に昇華すると体積が約600~800倍に膨張します。爆発的に気体へ膨張する力で、脆化した異物を除去します。
④溶媒効果
微小な二酸化炭素の結晶は、ノズルからリリースされた後、気体へ昇華しますが、基板へ衝突時に加圧されることにより 瞬間的に液化するものもあります。液化したCO2には、無極性溶媒のシクロヘキサンに似た溶剤効果があり、有機物に溶けやすい性質があります。
瞬間的に液化したCO2が有機物へ溶けて、気体へ爆発的に膨張することで、有機物を効果的に除去する効果があります。
液化した二酸化炭素の溶媒効果は、基板に付着した有機系異物・粘着質な異物に対して洗浄効果を発揮します。
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エア―ブローノズル・集塵フードとの違い
ハンディなエアーブローノズルや集塵用フードを使っても、基板に付着した微細な異物は、なかなか除去しにくいものです。
エア―ブローノズルは、エアーの圧力で付着異物を除去しますが、CO2スノージェット洗浄装置と比較すると次のようになります。
エア―ブロー ノズル 集塵フード |
CO2スノー ジェット洗浄装置 |
|||
エアー圧で除去する効果 | 有 | 有 | ||
物理的な衝撃で除去する効果 | 無 | 有 | ||
急速冷却で脆化させる効果 | 無 | 有 | ||
爆発的な膨張による除去効果 | 無 | 有 | ||
溶剤効果 | 無 | 有 |
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CO2スノージェット洗浄装置のメリット
◆VOCフリーのドライ洗浄技術!
◆有機溶剤フリーのドライ洗浄技術!
◆超純水や超音波洗浄のような廃液処理の問題無し!
◆超純水や超音波洗浄のような洗浄後の乾燥は不要!
◆廃液処理不要・乾燥工程不要 そして局所洗浄できるので、洗浄前後工程を含めたトータルのエネルギーコストを削減!
◆乾燥工程不要にして、一工程削減!
◆短いタクト・早い洗浄時間!
◆ドライ洗浄!
二酸化炭素は、常温・大気圧では気体です。ノズルから噴霧したCO2スノーの最終形態は気体になります。だから、洗浄後の二酸化炭素が液体・個体として表面に付着し続けることが無いのです。
◆ダメージレス!
ショットブラスト・サンドブラストのような個体粒子をぶつける方式とは全く異なります。CO2スノーは、基材と衝突すると瞬間的に昇華します。二酸化炭素は常温・常圧で気体なので、スノーは衝突して たちまち昇華(一部は瞬間的に液化してから気化します)するのです。基材表面へのダメージを極めて低く洗浄できる理由です。
◆石油精錬工程の副産物の液化炭酸ガスを使用
CO2スノージェット洗浄装置には、石油精錬工程の副産物として生じた液化炭酸ガスを使用します。副産物のガスを精製して、工業用に使用できるようにした液化炭酸ガスをガス会社から調達して、ユーティリティーに使用することができます。洗浄装置がノズルから二酸化炭素を噴霧していますが、環境的に中立です。このプロセスで装置が新たに生成する二酸化炭素はありません。
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