非接触搬送で基材の熱を保温

超音波 非接触浮上搬送技術は、表面が平滑な基板を無摩擦・無振動で輸送する搬送用設備です。浮上エアを用いずに基板を非接触浮上させることは、エアブローで基板を空冷しないので、基板の熱を保温しながら非接触搬送できる特徴があります。

基材の保温・断熱が重要なプロセスとして、次のような工程があります。

〇ダイプレート（金型取付板）を熱成形工程でハンドリング
〇熱処理した基板をハンドリング
〇塗工した基材を乾燥炉で処理する
〇基材を炉で熱硬化する

どんな用途でも、基材の熱は、それを取り扱う治工具の影響を受けます。例えば、部品をピックアンドプレースするロボットの”ハンド”、金属箔をガイドする”ロール”、基板の端面を保持する”治具やグリッパ” です。治工具が基材に直接 接触すると、基材の熱は接触部から治工具へ逃げていくので、温度条件に影響を及ぼすことになります。治工具が接触した部分だけ、高温または低温になることは、基材の温度むらの原因になります。

基材に接触する治工具を適用するときは、基材の熱を逃がさぬよう注意が必要です。

超音波による非接触ハンドリング技術は、基材に触れることなく取り扱うことができるので、接触による温度むらの原因を無くすことができ、温度むらによる不良や歩留まり低下を回避することにつながります。

従来の、エア浮上式 搬送用テーブルでは、エアブローが基材の熱を冷やしてしまうので、基材の熱を保温することが出来ませんでした。ホットエア・熱風でエアブローするにしても、圧縮エアの予熱は電気代が高いので費用負担が増大します。

超音波 非接触浮上搬送技術により、基材の熱を保温して非接触搬送するメリットがございます。

用途により、ソノトロード（基材を浮上させる面）を昇温して、非接触搬送する方法もございます。

超音波 非接触浮上・搬送技術によるメリット

利点①　基材の熱を保温

利点②　圧縮エアやガスの予熱が不要

利点③　コンプレッサー・圧縮エアが不要

利点④　基板は無振動でなめらかに浮上搬送

利点⑤　基板をつかむ治工具（グリッパー、ハンド、ガイド）に触れて熱分布にムラが生じるのを防止

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