
インフレーション成形とは?
溶解した熱可塑性樹脂を、押出し機で環状ダイスから空気で冷却しながら膨らませて押出す成形法です。膨張した円形のチューブは、案内板・ピンチロールを介して折り畳まれて平らなチューブ状フィルムになります。これをガイドロールを介してチューブ状フィルムとして巻き取ります。途中、両端をトリミング・スリットして、2枚のフィルムを別々に巻き取ることもあります。
お客様の課題
チューブ状フィルムを巻き出して、印刷する工程があります。
工程は次のような構成です。
リールから巻き出し
↓
印刷
↓
パウダースプレー装置(タルク粉)
↓
ボビンに巻取り
パウダースプレー装置は、インキの裏移りを防ぐためで、フィルムの表面にタルク粉が付着します。粉がフィルムからガイドロールへ転写すると、ロールが粉で汚れたり 後工程で充填機のベアリングを汚染するなど問題の原因になります。
解決策
接触式ウェブクリーナー ロータークリーン100型の写真です
一番上のイメージ写真は、ロータークリーン100型をチューブ状フィルムの両面に設置したものです。
ロータークリーンは、基材表面の静電気を除電して、付着異物を回転ブラシで除去し、集塵してフィルターで捕集するまで連続して行うことができます。除塵に必要な機能がすべて装置化された接触式ウェブクリーナーです。ブラシを適切な押込み量でセットすることで、フィルムの上下に対向した回転ブラシがフィルムの位置を安定させます。
フィルムや印刷面に傷がつかないように、ブラシラインナップの中から適切なブラシを取り付けて運用することが出来ます。
運転データ
□基材:チューブ状フィルム
□ウェブクリーナー:キスト+エシャリッヒ社製ロータークリーン100型 x 2台
□処理幅:1,100mm
□ブラシ:PA 6.6 黒色、毛先径Φ0.2 /Φ0.4
□ブラシ押込み量:約1mm(両面)
□フィルム速度:20m/min
□ブラシ回転速度:140m/min
□ブラシ回転方向:フィルム走行方向と逆方向に回転
□静電気除去バー:ロータークリーン1台に付き、入口と出口に計2本搭載
下の写真をクリックして、ロータークリーンによる除塵の原理をYoutubeでご視聴いただけます。
ロータークリーンによるクリーニングは、粘着ローラーと比べても、自動化という見地で大きなアドバンテージがあります。粘着ロールによるクリーニングでは、異物を転写させる粘着性テープの頻繁な交換(最低1日1~2回)が必要になることに加え、ロールをフィルムに接触して吸着させる原理なので、接着面が異物を吸着してへこみが出来ると連続クリーニングのパフォーマンス低下の原因になります。このため、粘着性テープの交換だけでなく、粘着ロールの平滑性の点検など、設備管理上の負担が大きくなります。吸着除去する粉の量により、メンテナンス頻度は更に増大します。
ロータークリーンによるクリーニングで、フィルムの除塵を自動化することで、生産性・歩留まり改善に大きく貢献することにつながります。日常メンテナンスはとても簡単です。
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