目次
第一章
ロールtoロールとは?
ウェブクリーナーとは?
第二章
非接触式ウェブクリーナー スタティックエアとは?
動画:スタティックエアでフィルムをクリーニング
スタティックエアのラインナップ
スタティックエアのメリット
第三章
回転ブラシ式ウェブクリーナー ロータークリーンとは?
動画:ロータークリーンでフィルムをクリーニング
ロータークリーンのラインナップ
ロータークリーンのメリット
第四章
☆ウェブクリーナー工程別 選び方☆
巻き出し
スリット
トリミング
プレス
コーティング
ラミネート
印刷
インモールド成形
レーザー加工
穴あけ加工
乾燥
検査
積層
ロール・コイル
第五章
エアーブローノズル+集塵ノズルでは集塵できないのか?
関 連 情 報
ドライクリーナー・除塵装置の関連情報
除電器・イオナイザの関連情報
ロールtoロールとは?
ロールtoロールは、長い反物状の製品を、ガイドローラーを介して連続で製造加工するプロセスです。
ロールtoロールで製造加工する典型的な製品には、樹脂フィルム・紙・箔があります。薄板ガラス・ガラス繊維・腐食布・生地もロールtoロールで加工を行う工程があります。
製膜装置には、真空装置の中で、基材を巻き出し・巻き取り、蒸着・スパッタリングで製膜する装置があります。これもロールtoロール方式です。
リチウムイオン二次電池のセルを構成する電極(正極板・負極板)、セパレータは、ロールtoロールで製造加工されています。
ロールtoロールは、数十m~数百mの長尺製品を連続して製造加工できるので、量産性に優れています。
ロールtoロールの加工工程には、印刷(グラビア印刷・フレキソ印刷・インクジェット)・スリット加工・プレス・ラミネート加工・コーティング・塗工・画像検査工程 等があります。
ウェブクリーナーとは?
ウェブは、ロールtoロールで製造加工する長い反物状の製品の総称です。
ロールtoロール方式では、ウェブはガイドローラーや生産設備に擦れて、接触・剥離を繰り返しながら走行するため、静電気を帯びていきます。
静電気は、生産環境で浮遊している微細な塵埃や、生産設備から発生した小さな金属カス・すす、衣類から起因する繊維クズ等を、引き寄せて吸着してしまうため、様々な問題につながります。
ウェブクリーナーは、ウェブに付着する異物を、目的の個所で局所的に除塵するためのクリーナです。
ウェブクリーナーには、いろいろな原理のクリーナがあります。
ウェブに触れずに異物を除去する非接触式ウェブクリーナー(エアーブロー+集塵方式、エアーブロー+イオナイザ+集塵方式、超音波ドライクリーナ等)
ウェブに触れながら異物を除去する接触式ウェブクリーナー(静止ブラシ方式、回転ブラシ方式、粘着ロール、クリーンローラー等)
当サイトでは、
非接触式ウェブクリーナーとして、スタティックエア(エアーブロー+イオナイザ+集塵方式)
接触式ウェブクリーナーとして、ロータークリーン(回転ブラシ+エアーブロー+イオナイザ+集塵方式)
の工程別の用途・選び方をご紹介します。
非接触式ウェブクリーナー スタティックエアとは?
ウェブクリーナーという除塵装置があります。ウェブとは、表面がフラットな基材の総称で、紙・フィルム・箔・紙 等の事です。
そして、
ウェブクリーナー スタティックエアは、静電気除去機能を搭載した非接触式ウェブクリーナーです。静電気で付着する微小なゴミ・ホコリ・切粉・切断屑・微細な樹脂カスに対して、フラットジェットノズルから除電ブローして、集塵用スリットから吸引します。
吸引した パーティクルは、別置きの集塵機にセットしたフィルターで捕集します。
動画:スタティックエアでフィルムをクリーニング
ロールtoロールでフィルムが走行する工程にスタティックエアを設置。スタティックエアの反対側が中空の個所に設置します。バックアップロールは不要です。
フィルムの片面処理の時は、フィルム幅より若干 広幅のスタティックエアをフィルムの上面にセットします。
フィルムの両面処理の時は、フィルム幅より若干 広幅のスタティックエアをフィルムの両面にセットします。
スタティックエアのラインナップ
<スタティックエア08型>
◆スタティックエア08型の特徴
静電気除去バー2本・フラットジェットノズル・吸引ソケットを搭載したモデルです。
◆狭幅シートから広幅まで。
処理幅は100㎜以下の狭幅モデルから、3mの広幅まで制作できます。
◆静電気除去バーの選択肢が広い!
用途に合わせて、最適なイオナイザを搭載することができます。
<強い静電気を除去したい>
樹脂フィルム・ガラス・紙のような高帯電物の付着異物を除去する用途には、除電能力が強力なスマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)070型を2本搭載できます。
<残留電圧を最小限にしたい>
液晶用ガラス・パネル・半導体のような、微弱な残留電位に脆弱な用途には、高イオンバランスの高周波ACイオナイザ スマートイオンプレシジョンを搭載できます。
<汎用用途>
AC静電気除去バー パワーバー55型を2本搭載できます。
写真:スタティックエア08型/スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)070型搭載
<スタティックエア09型>
◆スタティックエア09型の特徴
静電気除去バー(コンパクトバー55)1本・フラットジェットノズル・吸引ソケットを搭載したモデルです。
◆とても小さなクリーナーヘッド!
既存ラインへの後付の利便性のために、ボディを極限までコンパクトに設計しました。既存ラインへ後付けする場合でも、ラインのレイアウト変更を最小限にし、ユーザー様の負担を軽減します。
設置スペースが限られている設備・自動機への後付・ガイドロールや配管が入り組んでいる狭い箇所への後付にお勧めです!
◆静電気除去バー
ACイオナイザ コンパクトバー55型を1本搭載
写真:スタティックエア09型
<スタティックエア013型>
◆スタティックエア013型の特徴
製静電気除去バー1本・フラットジェットノズル・吸引ソケットを搭載したモデルです。サイズはコンパクトなものが良い、異物除去能力は落としたくない!という用途に適してます。
◆静電気除去バーの選択肢が広い!
用途に合わせて、最適なイオナイザを搭載することができます。
<強い静電気を除去したい>
樹脂フィルム・ガラス・紙のような高帯電物の付着異物を除去する用途には、スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)070型を1本搭載できます。
<残留電圧を最小限にしたい>
液晶用ガラス・パネル・半導体のような、微弱な残留電位に脆弱な用途には、高イオンバランスの高周波ACイオナイザ スマートイオンプレシジョンを搭載できます。
<汎用用途>
AC静電気除去バー パワーバー55型を1本搭載できます。
写真:スタティックエア013型/スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)070型搭載
スタティックエアのメリット
◆除塵に必要なエアーブロー用フラットジェットノズル・イオナイザ・集塵機能がクリーナーヘッドに標準装備
◆フラットなフィルム表面を非接触・インラインで除塵対策!
◆フィルム・ガラス 等 静電気を強く帯びる用途に、除電能力が高いパルスDCイオナイザ スマートイオン070型を装備できます。
◆湿式・ウェット洗浄ではありません。除塵プロセスはドライです!
◆既存のコンベヤ搬送工程へ後付けできます
◆自動機の設置に適しています
◆外部信号出力のオプションが充実!
◆装置化されたスタティックエアだから条件出しが簡単
◆メンテナンスは簡単です
回転ブラシ式ウェブクリーナー ロータークリーンとは?
「接触式」ウェブクリーナーは、シートに触れて物理的な力で異物を除去するドライクリーナーです。
例えば、粘着ロール式・クリーンローラー式、ブラシを搭載したウェブクリーナーが「接触式」に該当します。
ロータークリーンは、回転ブラシを装着してます。ブラシの毛先が基材に接触するので、接触式ウェブクリーナーです。
ロータークリーンは、基材表面の静電気を除電して、付着異物を回転ブラシで除去し、集塵してフィルターで捕集するまで連続して行うことができます。
静電気除去バーは、異物とシートの除電だけでなく、回転ブラシとクリーニング後のシートを除電します。
除塵に必要な機能がすべて装置化されてます。
動画:ロータークリーンでフィルムをクリーニング
ロールtoロールでフィルムが走行する工程にロータークリーンを設置。ロータークリーンの反対側が中空の個所に設置します。バックアップロールは不要です。
フィルムの片面処理の時は、フィルム幅より若干 広幅のロータークリーンをフィルムの上面にセットします。
フィルムの両面処理の時は、フィルム幅より若干 広幅のロータークリーンをフィルムの両面にセットします。
ロータークリーンのラインナップ
<ロータークリーン60型>
◆ロータークリーン60型の特徴
静電気除去バー2本・フラットジェットノズル・回転ブラシ・吸引ソケットがクリーナーヘッドに標準装備
◆有効幅
処理幅は200㎜から1,000mmまで制作できます。
◆ブラシ押込量を調整
ブラシの高さは微調整できます。
◆豊富なブラシラインナップ!
フィルム除塵の用途に適したブラシを選択します。
◆静電気除去バーの選択肢が広い!
用途に合わせて、最適なイオナイザを搭載することができます。
<強い静電気を除去したい>
樹脂フィルム・ガラス・紙のような高帯電物の付着異物を除去する用途にはスマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)070型を2本搭載できます。
<残留電圧を最小限にしたい>
液晶用ガラス・パネル・半導体のような、微弱な残留電位に脆弱な用途には、高イオンバランスの高周波ACイオナイザ スマートイオンプレシジョンを搭載できます。
<汎用用途>
AC静電気除去バーを2本搭載できます。
写真:ロータークリーン60型/スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)070型搭載
<ロータークリーン100型>
◆ロータークリーン100型の特徴
静電気除去バー2本・フラットジェットノズル・回転ブラシ・吸引ソケットがクリーナーヘッドに標準装備
◆有効幅
処理幅は300㎜から2,000mmまで。狭幅シートから広幅まで対応できます。
◆ブラシ押込量を調整
ブラシの高さは微調整できます。
◆豊富なブラシラインナップ!
フィルム除塵の用途に適したブラシを選択します。
◆静電気除去バーの選択肢が広い!
用途に合わせて、最適なイオナイザを搭載することができます。
<強い静電気を除去したい>
樹脂フィルム・ガラス・紙のような高帯電物の付着異物を除去する用途には、除電能力が強力なパルスDCイオナイザ スマートイオン070型を2本搭載できます。
<残留電圧を最小限にしたい>
液晶用ガラス・パネル・半導体のような、微弱な残留電位に脆弱な用途には、高イオンバランスの高周波ACイオナイザ スマートイオンプレシジョンを搭載できます。
<汎用用途>
AC静電気除去バーを2本搭載できます。
写真:ロータークリーン100型/スマートイオン(エアフリー パルスDCイオナイザ)070型搭載
ロータークリーンのメリット
◆除塵に必要なエアーブロー用フラットジェットノズル・イオナイザ・回転ブラシ・集塵機能がクリーナーヘッドに標準装備
◆フラットなシートフィルム表面を回転ブラシを当てて・インラインで除塵対策!
◆ブラシラインナップの中から適したブラシを選択できます
◆フィルム・ガラス等 静電気を強く帯びる用途に、除電能力が高いパルスDCイオナイザ スマートイオン070型を装備できます。
◆湿式・ウェット洗浄ではありません。除塵プロセスはドライです!
◆既存のコンベヤ搬送工程へ後付けできます
◆自動機の設置に適しています
◆装置化されたロータークリーンだから条件出しが簡単
◆メンテナンスは簡単です
ウェブクリーナー工程別 選び方
巻き出し
◆巻出(フィルム)
工程:コイルに巻いたフィルムを巻きだす工程
ウェブ:フィルム
異物:静電気で付着するフィルムカス・フィルムの切れ端
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア
目的:最終製品の異物混入対策
スリット
◆スリット工程(フィルム)
工程:スリッターで所定の幅に裁断
ウェブ:フィルム
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型
目的:刃で裁断後の樹脂フィルムの切り屑、切粉、切カスを集塵、スリットカス・クズのガイドローラー汚染防止
◆スリット工程(電極)
工程:スリッターで所定の幅に裁断
ウェブ:電極(正極板・負極板)
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型
目的:刃で裁断後の切りクズ、切粉、スリットカスを集塵
◆スリット工程(不織布)
工程:スリッターで所定の幅に裁断
ウェブ:不織布
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型
目的:刃で裁断後の糸くず、繊維クズを集塵
◆スリット工程(複合材)
工程:スリッターで所定の幅に裁断
ウェブ:複合材
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型
目的:刃で裁断後のカーボン系切粉を集塵
トリミング
◆トリミング工程(複合材)
工程:トリミングして端面の耳を裁断
ウェブ:複合材料
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア08型
目的:刃で裁断後の切り屑、切粉、切カスを集塵
プレス
◆プレス工程(複合材)
工程:プレス加工機
ウェブ:複合材
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア08型
目的:プレス前の複合材の微細な異物を集塵
◆プレス工程(電極)
工程:プレス加工機
ウェブ:電極(正極材・負極材)
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型
目的:プレス前の電極の微細な異物を集塵
コーティング
◆コーティング工程(フィルム)
工程:コーター
ウェブ:フィルム
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア
目的:コーティング前のフィルム表面の静電気で付着する異物を集塵
環境:一般環境または防爆エリア
ラミネート
◆ラミネート(フィルム)
工程:貼り合わせ工程
ウェブ:フィルム
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア
目的:貼り合わせ前のフィルム表面の静電気で付着する異物を集塵
環境:一般環境または防爆エリア
印刷
◆印刷(紙)
工程:印刷
ウェブクリーナー:接触式 ロータークリーン60型
目的:粉塵の集塵
インモールド成形
◆IMDインモールド成形
工程:成形
ウェブ:加飾フィルム
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型・013型
目的:成形前のフィルム表面の静電気で付着する異物を集塵
レーザー加工
◆レーザー加工(電極)
工程:レーザー加工
ウェブ:電極(正極板・負極板)
ウェブクリーナー:接触式 ロータークリーン60型
目的:レーザー加工後の微細な粉・バリを集塵
穴あけ加工
◆穴あけ加工(銅箔・アルミ箔)
工程:穴あけ加工
ウェブ:銅箔・アルミ箔
ウェブクリーナー:接触式 ロータークリーン60型
目的:穴あけ加工後の微細な粉・バリを集塵
◆穴あけ加工(紙)
工程:穴あけ加工
ウェブ:紙
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型
導入目的:穴あけ加工後の微細な紙粉を集塵
乾燥
◆乾燥(建材)
工程:乾燥炉の後処理
ウェブ:建材
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア09型
目的:乾燥後の異物・ススを集塵
◆乾燥(鋼板)
工程:乾燥炉の後処理
ウェブ:薄鋼板
ウェブクリーナー:接触式 ロータークリーン60型
目的:乾燥後の異物・ススを集塵
◆乾燥(布紙系)
工程:乾燥炉の前処理
ウェブ:布紙系
ウェブクリーナー:接触式 ロータークリーン60型
目的:乾燥炉の汚染防止
検査
◆検査工程(ガラス繊維)
工程:外観検査・画像検査
ウェブ:ガラス繊維
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア08型
目的:品質管理・検査機の誤作動防止
◆検査工程(フィルム)
工程:外観検査・画像検査
ウェブ:フィルム
ウェブクリーナー:非接触式 スタティックエア
目的:品質管理・検査機の誤作動防止
積層
◆積層
工程:積層
ウェブ:電極(正極板・負極板)
ウェブクリーナー:接触式 ロータークリーン60型
目的:粉塵混入防止
ロール・コイル
◆ロール・コイル
工程:巻取り後、出荷前のロール・コイル端面清掃
異物:ロール・コイル端面の粉
ウェブクリーナー:ロータークリーン60型・エレファント110型
目的:ロール・コイル端面をきれいにして、納品先が要求する清浄度にするため
エアーブローノズル+集塵ノズルでは集塵できないのか?
エアーブローノズルと集塵ノズルを独自に用意して、ロールtoロール工程に設置して除塵対策する場合、次のようなポイントに注意して条件を確認する必要があります。
◆エアーブローが付着異物を除去できているか。
◆異物が静電気でくっつく力を除去できているか。
シートと異物をしっかり除電できていないと、エアーブローしても微細な粉・カスが表面から動かない、という結果になる可能性があります。
◆エアーブローで異物が周辺に飛散していないか。
エアーブローが、微小な切粉・カス・異物を周辺に飛散させて、集塵用フードを設置していても、なかなか吸引できない ということがあります。
周辺の設備・機械を汚したり、生産環境の汚染につながります。
◆適切な集塵機を選定しているか
設置した集塵用フード・集塵ノズルの開口寸法、ダクトホースの直径・配管レイアウト・配管長、をもとに、適切なブロア・集塵機を選定する必要があります。
◆切断粉・切カスを集塵用ノズルから吸引できているか
吸引できていないと、吹き飛ばした異物を周辺にまき散らし、設備・機械を汚したり、生産環境の汚染につながります。
関 連 情 報
◆ドライクリーナー・除塵装置
なぜゴミや異物の問題がなくならないのか
ドライクリーナー・洗浄装置の種類と選び方
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◆除電器・イオナイザ
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