唯一無二の非接触搬送技術です。
ウェーハを超音波で非接触チャックする技術です。
目 次
|| 超音波による非接触チャックの原理
|| 超音波による非接触チャックのメリット
|| ウェーハ用非接触超音波チャックの写真をみる
|| ベルヌーイチャックとの比較
|| エア浮上テーブルとの比較
|| 吸着パッド・真空パッドとの比較
|| ゴミ・異物対策としての超音波非接触ハンドリング
|| 関連情報
取扱商社:㈱ケー・ブラッシュ商会
超音波による非接触チャックの原理
ウェーハを非接触チャックするチャック面には、ソノトロードというパーツを使用しています。超音波による振動を生成するための部品です。ソノトロードの振動によるエネルギーを、ソノトロードと接する空気やガスに伝えることができます。
ソノトロードは、ウェーハの形状に合わせて設計します。ソノトロードは、高周波振動して空気や雰囲気ガスを圧縮・拡散を行います。
平滑なソノトロードでウェーハを非接触でチャックします。グリッパーをロボットで操作して、ピックアンドプレースをすることができ、非接触チャックのロボットハンドとして使用することができます。
装置の電源をONにすると、ソノトロード(チャック面)は高周波で微振動します。ソノトロードの表面には超音波による周期的な圧縮と圧縮解除が行われます。ウェーハとソノトロードの間には、圧縮された薄い空気の膜が形成されます(スクイーズ膜)。これが、チャック面とウェーハの間に距離を保持するための反発力になります。
同時に、ソノトロードから陰圧の吸引力でウェーハを引き寄せています。この状態では、負圧の吸引力と超音波の反発力により、ウェーハは非接触でチャックされた状態に保持することができます。これが、超音波による非接触チャックの原理です。
これによりウェーハは非常に安定した状態で非接触でチャックされます。
非接触超音波浮上搬送の詳細をみる
超音波による非接触チャックのメリット
ウェーハを非接触チャックすることにより微小な傷やクラックを防止!
ウェーハを非接触チャックすることにより異物の付着を防止!
”接触”に起因する問題を回避して、歩留まり向上!
非接触チャックに、工場エアやクリーンエアは不要です。ユーティリティーは電源のみ。
チャック面からエアブロー・窒素ブローしません。クリーン環境に最適です。
圧縮エア源からの汚染リスクがありません。
圧縮エアのメンテナンスが不要。
ウェーハ用超音波非接触チャックの写真をみる
写真1:ウェーハ用超音波非接触チャック
非接触チャックは、ロボットハンドとして使用することができます。ロボットとの接続用フランジは、用途に合わせて設計します。全体の形状や寸法は、実際の設置スペースに合わせて、カスタムして一品物を設計段階から検討させていただきます。
写真では、ウェーハのチャック面に、小さなサイドストッパーを4点付けています。非接触チャックしている時の滑り止めです。
写真2:ウェーハ用超音波非接触エンドエフェクタ
ウェーハの上面からチャックするだけではなく、ウェーハの下面から非接触で保持するエンドエフェクタ(ロボットハンド)として適用することもできます。
ハンドは、薄く制作できますので、ウェーハ保管用容器(カセット)からの取り出しもできます。
ベルヌーイチャックとの比較
超音波 非接触 チャック |
ベルヌーイ チャック |
||||||||
エアーブロー | 無 | 有 | |||||||
窒素ブロー | 無 | 有 | |||||||
コンプレッサー | 無 | 有 | |||||||
圧縮エアの メンテナンス |
無 | 有 | |||||||
エアーブロー による汚染 |
無 | 有 | |||||||
ウェーハへの 負荷 |
小 | 大 | |||||||
クリーン環境 の適合性 |
〇 | △ | |||||||
歩留まり | 〇 | △ |
エア浮上テーブルとの比較
超音波 非接触 チャック |
エア浮上 テーブル |
|||||||
エアーブロー | 無 | 有 | ||||||
窒素ブロー | 無 | 有 | ||||||
コンプレッサー | 無 | 有 | ||||||
圧縮エアの メンテナンス |
無 | 有 | ||||||
エアーブロー による汚染 |
無 | 有 | ||||||
ウェーハへの 負荷 |
小 | 大 | ||||||
クリーン環境 の適合性 |
〇 | △ | ||||||
歩留まり | 〇 | △ |
吸着パッド・真空パッドとの比較
吸着パッド・真空パッドは、簡易的なチャック方式です。安価なので導入しやすい吸盤です。接触式なので、チャックする基材に・跡がつく・偏った力が加わる・基材へのダメーが大きいという特徴があります。パッドとの接触により、異物付着の可能性が大きく、歩留まり低減の可能性があります。
下記は、超音波非接触チャックとの比較表です
超音波 非接触 チャック |
真空パッド 吸着パッド |
|||||||
接触 | 非接触 | 接触 | ||||||
ウェーハへの ダメージ |
小 | 大 | ||||||
ウェーハへの 負荷 |
小 | 大 | ||||||
異物転写 リスク |
小 | 大 | ||||||
クリーン環境 の適合性 |
〇 | △ | ||||||
歩留まり | 〇 | △ |
ゴミ・異物対策としての超音波非接触ハンドリング
超音波による非接触搬送技術は、ウェーハとの接触に起因する異物付着を解消することができます。
ウェーハの表面・裏面は非接触なので、ウェーハの異物付着を回避して次工程へ持ち込むことができます。
チャック面はエアブローしないので、エア源からの汚染リスクは皆無です。
接触による異物付着を防止することで、歩留まり向上につながります。
超音波による非接触ハンドリングは、クリーン環境でのウェーハのハンドリングに最適な技術です。
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