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スリットカスを除去する3つの方法|切粉の問題はこれで解決!

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スリットカスを除去する3つの方法|切粉の問題はこれで解決!

 目 次

スリット加工とは?

ケース① スリッターでフィルムが静電気を帯びて粉が付着する
ケース② 金属箔をスリット後、切粉が箔に付着する

解決策① スリット直後にスタティックエアで除塵
解決策② 巻取り後のロールをロータークリーンで除塵
解決策③ 巻取り後のロールをエレファントで除塵

関 連 情 報

ドライクリーナー・洗浄装置 関連
除電器・イオナイザ関連 関連

 

 

スリット加工とは?


フィルム・紙・金属箔・繊維等を、製造時の原反幅あるいは巻き出し時の原反幅から 必要なサイズに裁断して巻き取るプロセスです。

スリッターで切断する主な材料は、フィルム、紙、電極(銅箔・アルミ箔)、不織布、炭素繊維複合材、などがあります

 

ケース① スリッターでフィルムが静電気を帯びて粉が付着する


プラスチック原料を押出し機で成形し、広幅のフィルムを作り、端面の余分な部位をスリット(トリミング)する工程があります。フィルムをスリットすると、カッターから樹脂の切粉が発塵します。スリットカスと呼ばれるパーティクルで、静電気を帯びたフィルムの端面(エッジ)や両面に付着していきます。静電気の発生は、”接触”に起因しています。スリッターでは、多くの場合フィルムはガイドロールを介して走行しており、ロールとの接触・剥離を繰り返し静電気を強く帯びています。スリットで発塵したスリットカスは帯電したフィルムの端面・両面に付着していきます。スリットカスが表面に付着したまま、ワインダーで巻き取ったフィルムは、納品先の加工工場でボビンから巻きだしていくと、フィルムがパーティクルを付着したまま巻きだされることになり、クレームの原因になります。

 

 対策のため、粘着ロールがスリッターの直後に取り付けることがあります。しかし、スリッターから次々と発塵されるカスは粘着ロールをすぐに汚染させ、ロールの粘着力を低下させるので、異物を転写させる粘着性テープの頻繁な交換が必要になります。また、パーティクルを吸着した粘着ロールは平滑性を失い、幅方向で均一にスリットカスを粘着させる能力を失います。現場の保全部門は、頻繁な粘着ロールのメンテナンスにより負担増大につながります。


非接触ウェブクリーナーを導入して、フィルム表面をインライン・自動クリーニングすることにより、スリットカスの除塵を自動化して、メンテナンスの負担を軽減して、生産性を向上させたいという、現場からの強いニーズがあります。

 

ケース② 金属箔をスリット後、切粉が箔に付着する


リチウムイオン2次電池に使用する電極材料は、正極材はアルミ箔がベース・負極材は銅箔がベースです。

 圧延して箔を製造するプロセスでは、圧延後にスリット工程で所定の幅に裁断してコイルに巻き取ります。

 また、アルミ箔、銅箔にはそれぞれ、電池の元になる材料を表面にコーティングして、スリット工程を経て再びロールに巻き取るプロセスがあります。金属箔のスリット工程では、金属系の切粉が発塵し、箔の端面や箔全体に付着する問題があります。

 スリッターで発塵した粉や異物は、金属箔の表面に付着させたままロールに巻き取ると、金属粉はロールの中に含有されて強い力で圧着されます。次工程で巻きだされるときは、表面に強く付着した金属異物は、不良や歩留まり低下の原因になります。スリット直後に除塵装置を設置して、局所的に付着異物を吸引除去したいという現場のニーズがあります。


解決策① スリット直後にスタティックエアで除塵


写真:非接触式スタティックエア09型
エアーブロー+静電気除去+集塵除去機能搭載
スリット切断後のエッジの切粉をクリーニング

evafilmcutting.jpg

スリットした後、粉はフィルムや電極箔の端面や表裏面に付着します。また、スリッター内のガイドロールを介して走行しているフィルムは静電気を強く帯びているので、フィルムを除電しながら付着異物を表面から除去して集塵する必要があります。

 

非接触式ウェブクリーナー スタティックエアは、スリッターに設置して 回転刃で発塵する切粉の除塵を自動化する重要な用途があります。非常に高い除塵能力を発揮することが出来ます。スタティックエアに内蔵の静電気除去バーは、フィルムの静電気を強力に除電して、異物を取れやすい状態にします。そして、フラットジェットノズルからの圧縮エアーストリームでスリットカスや異物を非接触で吸引チャネルに運び別置の集塵機で回収します。このプロセスは、非接触インラインで行われ、除塵プロセスの自動化につながります。

 

スリッターにはガイドロールが多く介在しており、設置スペースが限られているので、スタティックエア09型のコンパクトな洗浄用ヘッドは、スリッターの設計を変更せずに後付するのに特に優れています。スタティックエア直後に設置された粘着ロールに付着するパーティクルは劇的に減少し、導入効果が明らかになります。


フィルムや紙のスリット工程で使用する場合には、静電気の吸着力を除電する必要があるので、スタティックエアには静電気除去バーを付けたスペックで運用します。

基材が電極用の箔の場合でも同様に、スタティックエアをラインに後付けして、電極クリーナーとして切粉をインライン・非接触で吸引除去するのに大変効果があります。活物質塗工後の電極をスリットする用途では、スタティックエアにイオナイザを付ける場合と付けない場合がございます。用途によりお客様に選択して頂くことができます。

塗工する活物質ペーストは、お客様により構成成分は様々です。樹脂に近い特性をもつ活物質を塗工することもあります。静電気を帯びやすい性質の活物質ペーストを塗工している場合には、エッジの切粉は、電極の表裏に静電気でくっつきますので、スタティックエアにイオナイザを付けたスペックで運転することで、粉塵を集塵除去する効果が高くなります。電極に対して、コストパフォーマンスが高いエッジクリーナーとして運用して頂くことができます。

 スタティックエアは、有効幅50mm単位で製作できるので、導入する設置箇所でのフィルムの幅に合わせてボディを製作できます。

 例えばスリッターに設置する場合、端面のスリットカスの除塵をする場合には、処理幅100mm以下の狭幅でスタティックエアを制作いたします。また、フィルム両面に付着したパーティクル・ダストの除電・除塵が必要な場合には、フィルムの最大長に合わせて広幅のスタティックエアを制作できます。設置箇所に合わせて、フィルムの上面、下面、横向きでも設置することが出来ます。

sasandwitch.png

写真:狭幅スタティックエア ウェブの端面の両側に設置して、端面の粉やカスを吸引除去 
エッジクリーナーとして運用

このように、スタティックエアを設置する箇所に合わせて制作して、導入することが出来ます。スリッターだけでなく、コーティング・ラミネート・印刷・などフィルム製造における様々な重要工程に、スタティックエアの非接触自動クリーニングの技術を適用することが出来ます。

 

下の写真をクリックして、スタティックエアの原理をYoutubeでご視聴頂けます。(※動画は、スタティックエア08型です)

 

スタティックエアによるクリーニングは、粘着ローラーと比べ、自動化という見地で大きなアドバンテージがあります。粘着ロールによるクリーニングでは、異物を転写させる粘着性テープの頻繁な交換(最低1日1~2回)が必要になることに加え、ロールをフィルムに接触して吸着させる原理なので、接着面が異物を吸着してへこみが出来ると連続クリーニングのパフォーマンス低下の原因になります。このため、粘着性テープの交換だけでなく、粘着ロールの平滑性の点検など、設備管理上の負担が大きくなります。

 

ウェブの張力・テンションが重要なパラメーターである工程でウェブクリーナーを検討する場合には、接触圧の影響を無くすために 特に接触式ウェブクリーナーは避けたいものです。

 

スタティックエアによる非接触クリーニングで、ウェブの除塵を自動化することで、生産性の改善に大きく貢献することにつながります。定期メンテナンスはとても簡単です。

 

スタティックエアの詳細を見る

 

☆スタティックエア09型は、既存の製造設備にも後付けしやすいように、除塵に必要な機能を搭載しながら、コンパクトに設計されています。後付でもレイアウト変更の手間を軽減し、ライン設計者の負担を軽減します。

 

解決策② 巻取り後のロールをロータークリーンで除塵

 

巻取った後、フィルムはロール状になります。端面の除塵のために、一工程増やしてロータークリーンで端面を清掃します。

rcroll.png

 

ロータークリーンは、静電気除去バー+回転ブラシ+吸引チャネルを搭載しています。ロール端面に粉は静電気で付着しています。ロータークリーンは、静電気を中和して、粉を除去しやすくして回転ブラシで掻き出し、吸引除去することができます。ゴミやホコリをまき散らさない集塵システムです。

 

ロータークリーンの詳細をみる

 

 

解決策③ 巻取り後のロールをエレファントで除塵

 

巻取った後、フィルムはロール状になります。端面の除塵のために、一工程増やしてエレファントで端面を清掃します。

eleroll.png
エレファントは、ハンディタイプの除塵装置です。静電気除去用イオナイザ+パルスエアー放射用ノズル+吸引チャネルが組み込まれています。作業者がグリップを持ち、手作業でロール端面を清掃します。ロール端面に粉は静電気で付着しています。エレファントは、静電気を中和して、粉を除去しやすくして、パルスエアで粉を表面から取り除き、吸引除去します。吸引した異物は集塵機のフィルターで捕集します。ゴミやホコリをまき散らさない集塵システムです。

エレファントの詳細をみる

 

 

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