エアーソード|重ねたウェーハを1枚づつ分離します │ エアーソードは、半導体ウェーハ搬送容器にコインスタック状に重ねたウェーハを1枚づつ取り出しやすくします。コインスタックから正確にチャックすることをサポートするツールです。ウェーハの位置づれや、2枚とりの問題を防止して、歩留まり向上につながります。シリコンウェーハやセラミック基板のスタックからの取り出しに適用できます。

2020/05/14

エアーソードは、半導体ウェーハ搬送容器に重ねたウェーハを1枚づつ取り出しやすくするエアノズルです。

　目　　次

|| コインスタックからウェーハをピックアップ
|| 動画で解説：ウェーハを1枚づつ分離・取り出し
|| エアーソードの供給元：ZS-Handlingについて

取扱商社：㈱ケー・ブラッシュ商会

　

コインスタックからウェーハをピックアップ

コインスタックとは、半導体保存用容器の中でウェーハを積み重ねたものです。

半導体製造プロセスで、コインスタック状に重ねたウェーハの上面から、ウェーハを1枚づつチャックして取り出す工程があります。1枚1枚のウェーハは、仕切られておらず互いに接しているスタックです。

チャックには、真空吸着チャック・吸盤・ベルヌーイチャック・超音波非接触チャックなどを使います。

どの方式でチャックするにしても、コインスタック状のウェーハから1枚づつ取り出すときに、下のウェーハがくっついたり位置ずれしないように丁寧に取り出す必要があります。

ZS-Handling社が制作したエアーソードは、コインスタックからウェーハを取り出しやすくするための特別なエアノズルです。

エアーソードからのエアブロー・窒素ブローにより、ウェーハを1枚づつ分離します。分離してからチャックするので、きれいに取り出すことができます。

動画で解説：ウェーハを1枚づつ分離・取り出し

動画：Separating Module "Air Sword" を解説
　
最初の動画は、コインスタック状のソーラーウェーハの一番上の1枚を分離する動画です。エアーソードからの特別な気流がウェーハの隙間に入り込み、一番上のウェーハを浮上させています。

これが、下のウェーハとセパレートされた状態です。

動画：Ceramic Separatingを解説

次の動画は、重ねた薄いセラミック基板のスタックから、一番上のセラミック基板を分離する動画です。上のセラミック基板がエアーソードからのブローにより、分離している様子が分かります。

動画：Single Pick Up with Air Swordを解説

最後の動画は、実際にスタック状に重ねたシリコンウェーハから、1枚づつ分離しながら上面から非接触チャックして、搬送するまでの動画です。

チャックには、ZS-Handling製超音波非接触チャックを使用しています。

スタックの一番上のシリコンウェーハは、エアーソードからのブローで分離され、わずかに浮上しています。

そして、シリコンウェーハの上面に位置するチャック板（ソノトロード）へ、負圧で引き寄せられ、非接触でチャックして、水平方向へ非接触搬送されています。

ウェーハを正確にピックアップできることにより、歩留まり向上につながります。

エアーソードでウェーハを分離して、非接触チャック・搬送するツールが、実際に工場で運用されているのです。

エアーソードの供給元：ZS-Handlingについて

ZS-Handling GmbH は、超音波による非接触浮上搬送装置、非接触チャックを制作するドイツの会社です。

非接触搬送技術は、市場にはすでに、エア浮上テーブル・ベルヌーイチャック・静電チャックなどがありますが、

ZS-Handling 社は、超音波による独自の非接触ハンドリング技術のノウハウがあり、競合他社と差別化をしています。

同社の超音波搬送技術は、工場の量産ラインに導入できる技術レベルを有しています。欧米、アジアの半導体や電子部品の製造基盤がある国々では、いち早く量産ラインに超音波非接触ハンドリング技術を導入し、運用ノウハウを獲得しています。

半導体市場、フラットパネル市場で成功を収めた同社は、超音波非接触ハンドリング技術の新しいマーケットの開拓も進めており、電池用電極箔のハンドリング、ICチップ・レンズの非接触ハンドリング、フレキシブル薄膜ガラスの非接触ガイドなど、活動領域を広げていきます。

圧縮エアを使わない、超音波の非接触搬送技術は、クリーン環境でのハンドリングに有効で、様々な業界でニーズがあるのです。