
目次
CO2スノージェット洗浄装置とは?
コンタミをドライで洗浄する しくみ
洗浄できる主なコンタミ・異物の例
動画:治具にセットした電池をCO2スノージェット洗浄装置でドライ洗浄
エアーブローノズル・集塵フードとの違い
超音波洗浄との違い
CO2スノージェット洗浄装置のメリット
関連情報
CO2スノージェット洗浄装置とは?
◆CO2スノージェット洗浄装置とは?
特別に設計されたノズルから、二酸化炭素の結晶(CO2スノー)を噴霧して、基材表面のコンタミをドライ洗浄する装置です。
◆機器構成
ノズル・コントローラ(フィルター・電磁弁装備)・ホース(ノズル⇔コントローラ間)
◆ユーティリティー
200VAC単相、ドライ圧縮エア または 窒素ガス、液化炭酸ガス
※液化炭酸ガスは、ボンベの中の気体ではなく液体を使用します。ボンベの場合はサイフォン式の管が付いたボンベが必要です。
※個体のドライアイスを用意する必要はありません。
◆ユーザー様にご用意いただくもの
ロボット(ノズルをロボットに持たせて運用する用途)
ノズル保持用の治具(ノズルを固定して使用する用途)
ワークピースを搬送する搬送系(コンベヤ、ロボット、トレー、治具 等)
二酸化炭素用センサー(作業現場のCO2濃度をモニター)
局所排気(二酸化炭素を排出)
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コンタミをドライで洗浄する しくみ
<クアトロクリーンテクノロジー>
CO2スノージェット洗浄装置には、4つの洗浄効果があります。
①衝撃洗浄
液体のCO2をノズルまで液送して、弁を開いてノズルから放射します。急激な圧力・温度低下に伴い、二酸化炭素は微小な結晶になります。小さな結晶が、表面の汚染異物・コンタミに対して、衝撃を与えることができます。このマイクロブラスト効果により、表面から除去する効果があります。
このような物理的な力で除塵する効果は、エアーブローにはありません。これは、エアーブロー・集塵のような気流のみの除塵対策との大きな違いです。
結晶が衝突する物理的な力は、粒子径がミクロンオーダー~サブミクロンオーダーの微細な無機系の付着異物(金属粉・すす等)に対しても効果があります。
そして、氷の結晶(スノー)は、基板に衝突して、直ちに昇華(個体から気体に相転移すること)するので、ダメージレスで洗浄することができます。
表面が繊細な、回路の接点に対してもダメージを極めて低くして洗浄することが出来ます。
②急速冷却
ノズルから噴霧したCO2スノーは、-78.5°まで温度低下します。そして、コンタミに衝突して熱を奪います。冷却効果によりコンタミは固化し、母材とコンタミの間の張力の違いが生じて除去しやすくなります。
③爆発洗浄
微小な二酸化炭素の結晶は、個体から気体に昇華すると体積が約600~800倍に膨張します。この爆発的に気体へ膨張する力で、脆化したコンタミを除去します。
④溶媒効果
微小な二酸化炭素の結晶は、ノズルからリリースされた後、気体へ昇華しますが、ワークピース(電池)へ衝突時に加圧されることにより 瞬間的に液化するものもあります。液化したCO2には、無極性溶媒のシクロヘキサンに似た溶剤効果があり、有機溶媒に溶けやすい性質があります。
瞬間的に液化したCO2が有機物へ溶けて、気体へ爆発的に膨張することで、有機物を効果的に除去する効果があります。
液化した二酸化炭素の溶媒効果は、電池に付着した有機系異物・粘着質な異物に対して洗浄効果を発揮します。
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洗浄できる主なコンタミ・異物の例
粘着質なコンタミ、薄い油膜、粒子径が小さい微細な異物は、ドライで洗浄しようにも、なかなか難しいものです。
CO2スノージェット洗浄装置が、ドライ洗浄できるコンタミの例は次の通りです。
◆微小なゴミ・ホコリ
◆繊維系異物
◆フラックスの残渣
◆接着剤の残渣(例、保護フィルムを剥がした跡の薄い残留物)
◆薄い油膜
◆有機系異物(例、皮脂等 人に起因するもの)
◆無機系異物(例、設備の駆動部・回転部から発生する微小な金属粉など)
◆切削加工時の微小バリ(例、インプラントのPEEK材加工時の微小バリ)
※洗浄効果は、用途・パラメータ等の諸条件によります。別途、ご確認をお願いします。
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動画:電池のコンタミをCO2スノージェット洗浄装置でドライ洗浄
治具に、電池がセットされています。エアーブローだけでブローしても粉塵を除去できない微細な異物を、CO2スノージェット洗浄装置のノズルから、CO2スノーを放射すると微細な異物がきれいに除去されます。この動画をYoutubeでご視聴いただく事が出来ます。
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エア―ブローノズル・集塵フードとの違い
ハンディなエアーブローノズルや集塵用フードを使っても、電池に付着したコンタミは、なかなか除去しにくいものです。
エア―ブローノズルは、エアーの圧力で付着異物を除去するわけですが、CO2スノージェット洗浄装置と比較すると次のようになります。
エア―ブロー ノズル 集塵フード |
CO2スノー ジェット洗浄装置 |
|||
エアー圧で除去する効果 | 有 | 有 | ||
物理的な衝撃で除去する効果 | 無 | 有 | ||
急速冷却で脆化させる効果 | 無 | 有 | ||
爆発的な膨張による除去効果 | 無 | 有 | ||
溶剤効果 | 無 | 有 |
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超音波洗浄との違い
湿式 超音波洗浄と比べると、次のような違いがあります。
超音波洗浄 | CO2スノージェット 洗浄装置 |
|||
局所洗浄 部分的な洗浄 |
不可 | 可(マスキング) | ||
有機溶剤 | 有(洗浄剤による) | 無 | ||
VOC | 有(洗浄剤による) | 無 | ||
廃液処理 | 有 | 無 | ||
洗浄後の乾燥 | 有 | 無 | ||
プロセス全体の エネルギーコスト |
高 | 低 | ||
オフライン(バッチ式) または インライン |
オフライン(バッチ式) | オフライン・インライン どちらも可 |
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CO2スノージェット洗浄装置のメリット
◆VOCフリーのドライ洗浄技術!
◆有機溶剤フリーのドライ洗浄技術!
◆超純水や超音波洗浄のような廃液処理の問題無し!
◆超純水や超音波洗浄のような洗浄後の乾燥は不要!
◆廃液処理不要・乾燥工程不要 そして局所洗浄できるので、洗浄前後工程を含めたトータルのエネルギーコストを削減!
◆乾燥工程不要にして、一工程削減!
◆短いタクト・早い洗浄時間!
◆ドライ洗浄!
二酸化炭素は、常温・大気圧では気体です。ノズルから噴霧したCO2スノーの最終形態は気体になります。だから、洗浄後の二酸化炭素が液体・個体として表面に付着し続けることが無いのです。
◆ダメージレス!
ショットブラスト・サンドブラストのような個体粒子をぶつける方式とは全く異なります。CO2スノーは、基材と衝突すると瞬間的に昇華します。二酸化炭素は常温・常圧で気体なので、スノーは衝突して たちまち昇華(一部は瞬間的に液化してから気化します)するのです。基材表面へのダメージを極めて低く洗浄できる理由です。
◆石油精錬工程の副産物の液化炭酸ガスを使用
CO2スノージェット洗浄装置には、石油精錬工程の副産物として生じた液化炭酸ガスを使用します。副産物のガスを精製して、工業用に使用できるようにした液化炭酸ガスをガス会社から調達して、ユーティリティーに使用することができます。洗浄装置がノズルから二酸化炭素を噴霧していますが、環境的に中立です。このプロセスで装置が新たに生成する二酸化炭素はありません。
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